酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

松竹大歌舞伎 義経千本桜

2006-07-29 00:30:26 | 演劇
勘九郎改め十八代目中村勘三郎襲名披露の歌舞伎が、よこすか芸術劇場で行われた。

まず襲名口上。勘三郎さんから始まり、「真夜中の弥次さん喜多さん」で金髪だった中村七之介さん。それに中村扇雀さん。あれ~息子の中村勘太郎さんがいないよー。えっ!怪我で休演???。知らなかったぁ~「決闘!高田馬場」の好演で今回も楽しみの一つだったのにがっくり。

次の演目は「義経千本桜(二幕三場 木の実・小金吾討死・すし屋)」。
といっても義経は出てこない。
勘三郎さんの、いがみの権太が主役。悪で勘当中の権太が、最後は親のかくまう平維盛を自分の妻子を犠牲にしてまで守り、自分も死んでいくという悲しいお話。
有名な筋なんだけど、勘三郎さんが死んでいく場面で、隣の人は涙・涙・涙。 わかっていても泣けるのが、時代を超えて続いている歌舞伎の魅力なんでしょうね。

ところで、三階席のマナーは最低。途中おしゃべりするおばさんグループが二組。気になって何度か聞き取れないセリフがあった。勘三郎さんの声もちょっと調子悪そうだったせいもあるけど・・・。
他にも物を落として大きな音を立てる人、勘三郎さんの最後の涙を流して言うセリフの一番いいところでトイレに出ていく人などなど。
まあ江戸時代は、食べながら飲みながら見ていただろうから、もっと大騒ぎしてたかもね。


東洋大学通信教育部

2006-07-25 23:56:10 | 東洋大学
生涯学習のつもりで始めた大学の通信教育も3年目に入った。中々進まないが、楽しんでいる。
東洋大学は通信教育部でも通学生の授業の一部を受講出来る。
「室町文化論」という課目を、二十歳前後の学生にまじって受けているのだが、今日は春学期の試験だった。
試験は一時間。「東山文化の特徴を述べよ」というような問題10題を短い文章で回答する。資料やノートは持ち込み可なので、いかに要領よくまとめるかの勝負である。
いくつになっても試験というだけで緊張するが、脳の活性化には少しは役立っている気がする。
蜷川幸雄が主宰する「さいたまゴールド・シアター」の高齢者たちは、もうすぐ舞台に立つようだが、こちらも早く卒業という舞台に立ちたいものだ。


山吹・天守物語

2006-07-15 13:31:09 | 演劇
7月大歌舞伎公演の14日夜の部(歌舞伎座)。「山吹」と「天守物語」の二本。
「山吹」は泉鏡花の中では、しっとりした作品であるが、舞台は輪をかけて地味に作ってある。原作にはマゾヒスティックであやしい部分もあるが、さらっと流している。あまりに動きが少ないので、周りでは居眠りしている人が多数。今回は坂東玉三郎の「天守物語」の前座的な役割に徹したのかもしれない。
休みをはさんで後半は「天守物語」。原作は泉鏡花の中で、私は「草迷宮」と並んで面白い作品だと思っている。姫路城に潜む魔界の天守夫人「富姫」(玉三郎)と城の若侍「姫川図書之助(市川海老蔵)の恋物語。
さすがに玉三郎の所作の優雅さや、鏡花独特のセリフの表現には惚れ惚れしてしまう。「山吹」で熟睡していた隣のおばさんは、いつのまにか身を乗り出していた。
相手役の海老蔵も若々しく純粋な侍をうまく表現。昨年の海老蔵の失敗作「信長」とは変わって、同一人物とは思えない出来栄えである。すこし痩せたのか、顔の線もすっきりしたのが魅力的。肝心なところで一度だけセリフをかんでしまったが、これだけの出来だとご愛嬌と許せてしまう。
城の家来たちが総じて元気がないのと、鏡花作品の幻想世界の美しさに、全体的にいま一歩欠ける部分はあったが、玉三郎の演技だけでも十分満足できる舞台である。


Ginza Graceful Choir 2nd Gospel Concert

2006-07-09 22:55:07 | Weblog
昨日、友人のMさんが参加している、ゴスペルグループのコンサートを聴きに行った。曳舟文化センターのホールはほぼ満員。熱気あふれるステージとなった。
最近テレビで、アメリカの教会でゴスペルを聞き、涙を流す黒人女性の映像が流れた。アフリカから流れてきた人達にとってのゴスペルは、切実なものであったに違いない。
今回のコンサートは切実さから少し離れて、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」や喜納昌吉の「花」などポピュラーナンバーを取り入れたり、会場と一緒に歌うなど、ゴスペルを身近なものにしようという工夫がされていて、楽しかった。

毛越寺の延年の舞

2006-07-03 23:56:49 | 演劇
昨日、平泉の毛越寺で国の重要無形民俗文化財である「延年の舞」を見た。
今年はあいにく土砂降りとなり、テントや寺庇で雨を避けながらの鑑賞となった。
「延年」は寺の法会の後に催される法楽のことをいい、神社における神楽のようなもので、八百年の昔から伝承されているという。
今回「路舞」「若女と禰宜」「老女」「王母ヶ昔」などが、観光客の前で演じられた。
男の子二人の舞う「路舞」や「王母ヶ昔」も可愛いけれども、面白かったのは「若女と禰宜」と「老女」の対照的な舞。
「若女と禰宜」は、にこやかな面をつけた女が、鈴を振り、首を傾けた様子などを見せる。静かな動きの中で、楽しげに若さを匂わせる。
「老女」は黒っぽい面をつけ、百歳という設定。鈴を持ち若女と同じように舞おうとするのだが、腰も曲がり思うようにいかない。舞う前には、髪をなでつけ、やる気を見せるのがいたいたしい。誰もが避けられない老いが描かれ共感してしまう。
静かで素朴な動きに、伝統芸能の凄さが感じられる貴重な時間だった。