酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『ホロヴィッツとの対話』 

2013-02-26 23:49:22 | 演劇


「ホロヴィッツとの対話」  PARCO劇場

作・演出 三谷幸喜、出演 渡辺謙・段田安則、和久井映見、高泉淳子
音楽・演奏 荻野清子

久しぶりに三谷幸喜らしい芝居を見た。翻訳劇よりやはり三谷の原作の方が面白い。
ともあがめられる偉大なピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツ(段田安則)と、その演奏を支えるピアノ調律師フランツ・モア(渡辺謙)のたった一晩のお話。

ある日ホロヴィッツ夫妻がモアの自宅を訪ねたいと言う。モアにとっては大感激のことではあるが、ただわがまま放題の二人を迎えるのは大変なこと。モアの妻エリザベス(和久井映見)はぴりぴりした気持ちで食事の準備をして待つ。
到着した二人は予想どおり好き勝手で言いたい放題。最初は素直なエリザベスも次第に我慢できなくなり反撃も。
そのストレートな会話の中に、ホロヴィッツ家が抱えていた隠された事情が次第に明らかに・・・。

役者ではホロヴィッツを演じた段田安則の演技が絶品。今年の演技賞は決まり!といった感じ。老ピアニストを面白く、悲しく、そしてやさしく演じている。その妻ワンダを演じる高泉淳子とのコンビも絶妙。

渡辺謙の起用はPARCO劇場40周年の舞台ということがあるのかもしれないが、その役は偉大なピアニストのわがままに右往左往する調律師役。この辺がひとひねりした三谷らしい起用。初舞台の和久井映見もそれなりに好演。

三谷演出の4人芝居としては、役者の力量がそろっていた『コンフィダント・絆』には及ばないが、見ごたえのある芝居としてお薦め!

(PARCO劇場公演は3月10日(日)まで)


『石川なおこ展』

2013-02-12 16:03:09 | 美術館


「石川なおこ展」   於:Gallery銀座フォレストミニ  奥野ビル513。


俳句仲間の I さんのお孫さんが、個展を開くという案内をいただいたので出かけた。

銀座一丁目の奥野ビル5階。クラシックな建物でエレベーターも手動。映画の舞台にでも使えそうな面白い雑居ビルである。

石川なおこさんの展示は小さな部屋に十点ほど。ユニークな人物と淡いピンクが印象的な作品。まだ東京工芸大学の学生さんであるが、若手アーティスト育成の場であるトーキョーワンダーサイト(2013年)にも入選したとのこと。

将来はイラストレーターを目指しているという。競争の激しい業界で大変だろうが、頑張ってほしい。
(~2月16日まで)

ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖 』・『夜行観覧車』

2013-02-09 18:16:28 | テレビ


最近余り見なかったのだけど、今テレビドラマ見てます。

三上延原作の「ビブリア古書堂の事件手帖」。
殺伐としたものが多い中でこれはほんのり系。内容も推理があって、登場する古書のエピソードもあり飽きさせません。
当初、原作のイメージと違うとたたかれていた古書店主篠川栞子役の剛力彩芽ですが、予想以上に雰囲気を出しており、まずは成功ではないでしょうか。
古書店内や鎌倉の映像も美しく、気持ちよく見られるドラマに仕上がっています。

もう一本見ているのが、ビブリアとは正反対のどろどろのドラマ「夜行観覧車」。湊かなえ原作の小説をドラマ化したものです。
高級住宅街に引っ越してきた家族の身辺に次々と起こるいやがらせや事件。いつか家族はばらばらに・・・。
そして殺人事件の犯人は誰か。いよいよ面白くなってきました。

読書三昧(25年1月)

2013-02-07 09:43:51 | BOOK


1月に読んだ本

井上ひさし 戯曲『日の浦姫物語』
山田露結 句集『ホームスウィートホーム』
長谷川鉄夫 句集『青墨』
三浦しをん『お友だちからお願いします』
伊坂幸太郎『残り全部バケーション』
小野不由美『鬼談百景』

今月のお薦めは、伊坂幸太郎の『残り全部バケーション』
小説は何人かの登場人物の視点で描かれながら進んでいく。人物はほとんど「悪側」の人間なのだが、個性的なキャラクターが魅力的である。伊坂幸太郎の作品に「ぬくもり」を感じるのは、人物の描き方に由来するものであろう。
別々に発表されたもの、書き下ろしの短編を一つの小説にまとめているので、多少流れにわかりにくい部分もあるが、全体的にはおしゃれな感じで面白い。