酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

読書三昧(28年1月)

2016-01-31 16:51:28 | BOOK


読書三昧(28年1月)

癌の5年生存率の統計が新聞に出た。意外に生存率が高いと思ったが、それはあくまで平均で、癌の種類や見つかった時の進み具合で全然違うことがわかり少しがっかり。

1月に読んだ本
荻原浩『金魚姫』
中山七里『闘う君の唄を』
川上弘美『なめらかで熱くて甘苦しくて』
林真理子・見城徹『過剰な二人』
長谷川櫂『芭蕉の風雅―あるいは虚と実について』
伊藤式郎句集『切絵の森』
能美昌二郎句集『長州砲』

☆荻原浩『金魚姫』
仏壇・仏具会社の営業員である潤と金魚姫の物語。先が予測不可能な展開。笑えるがベースは悲しい純愛小説。

☆中山七里『闘う君の唄を』
幼稚園年少の新任先生が、モンスターペアレンツ達のクレームと闘うなかで、次第に成長していく姿が描かれる前半。ネタばれになるので書けないが、後半内容はがらっと一変する。万一前半で飽きた人も一応最後まで読んで欲しい。

☆川上弘美『なめらかで熱くて甘苦しくて』
短篇5編からなるがどれもとらえどころがない不思議な小説。わからなくなって、何度も前へ戻りながら読んだ。感覚で読まされる感じ。これも作者独特の才能なのだろう。

☆林真理子・見城徹『過剰な二人』
作家と編集者。個性的な二人が、人の生き方を自分の過去を語ることにより教えてくれる。それぞれに厳しい現場で活躍している人の話だけに説得力もある。あとがきで林真理子自身が認めているように、内容が具体的な見城徹の文章の方が圧倒的に面白い。

☆長谷川櫂『芭蕉の風雅―あるいは虚と実について』
芭蕉七部集のうち『冬の日』『猿蓑』『炭俵』の歌仙を取り上げ、芭蕉の風雅すなわち「虚に居て実をおこなふ」芭蕉の考え方をわかりやすく述べている。
連句のつながりは詠み手や捌きのイマジネーションによるものだから読み解くのは中々難しいが、長谷川櫂の解釈には無理がないように感じた。驚くのはこの手の本は過去の誰かの意見を参考にするものだが、それは一切ない。全部自分の考えで書かれているのが凄い。面白い小説を読むのと同じように先を次々読みたくなった。文句のない好著。

☆伊藤式郎句集『切絵の森』
草登り詰めたる天道虫どうする
寒満月切絵の森となりにけり
新酒酌むいい人どこかもの足らず
沈丁花むかし湯殿はほの暗し
冬紅葉散る敗者にも勝者にも

☆能美昌二郎句集『長州砲』
広告に背を貸すベンチ冬の駅
傘の子に取り囲まれて蝌蚪の国
散歩とは小さき冒険五月晴
鳥帰る空に磁石のあるごとく
晦日蕎麦布屋太兵衛は駅の中

『ナショナル・シアター・ライヴ2016 ハムレット』

2016-01-29 20:33:23 | 映画



映画で『ナショナル・シアター・ライヴ2016 ハムレット』を見てきました。
演出:リンゼイ・ターナー/作:ウィリアム・シェイクスピア
出演:ベネディクト・カンバーバッチ/プロデューサー:ソニア・フリードマン

イギリスの国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターの舞台を映画化したものです。
バービカン劇場でのライブ映像なので、観客の笑い声も入り臨場感あります。

かなり現代劇に近い雰囲気の「ハムレット」。
舞台美術や衣装がシンプルな分、セリフが心に響いてきます。翻訳を字幕で見ているだけですが、それでもあらためてシェークスピアのセリフの素晴らしさを感じます。

上映時間は休憩入れて約3時間半の長丁場ですがまったく退屈しません。






帰りは「ぼてじゅう」の「トマトとアボガドとゴーダチーズの焼きそば」で遅い昼食。お好み焼きももちろん食べましたよ。


『新春浅草歌舞伎』

2016-01-25 18:24:05 | 演劇



今日浅草公会堂で『新春浅草歌舞伎』を見た。

第1部(昼)は中村米吉の新年挨拶で始まり、『三人吉三巴白浪』、舞踊の『土佐絵』、『与話情浮名横櫛』と続く。

まず『三人吉三巴白浪』であるが、三人のセリフの流れが冗長で、せっかくの河竹黙阿弥の名ゼリフが十分に伝わってこない不満あり。

それに比べると舞踊『土佐絵』と、『与話情浮名横櫛』は断然いい。
舞踊は舞台美術の華やかさと三人の踊りが上手くマッチ。それぞれがプロの芸を感じさせる。観客席が静まり緊張感まで走ったのはさすが。

『与話情浮名横櫛』は有名な「源氏店の場」。新聞評でセリフに悲愁があるとほめられていた切られ与三郎役の尾上松也もいいが、私はお富役の中村米吉に注目した。セリフの言い回し、声の通りも気持ち良く、私の目には今回の舞台で一番の出来に見えた。





近くの「叶屋」でキス天丼セットを食べて帰った。うどんのだしがうまくて満足。

そごう美術館『日本画の革新者たち展』(前期)

2016-01-20 19:12:34 | 美術



正月休みで間があいたせいか、薬の効きが良くて副作用もその分強力。しばらくダウンしていました。
やっと久しぶりのお出かけ。

そごう美術館の『日本画の革新者たち展』(前期)へ行ってきました。福井県立美術館所蔵の50数点を展示。

横山大観・速水御舟・奥村土牛・前田青邨・加山又造など大家の作品が揃っているのですが、屏風や掛け軸が多いせいか全体的には地味な印象。
菱田春草の『落葉』、下村観山の『寿星』など落ち着いた雰囲気の屏風に好きなものもあったのですが、ときめくほどの作品がなかったのが残念。こちらの体調のせいもあるのかな。




帰りは同じそごうの『中国料理 桃源』で酢豚のランチを食べて帰ってきました。外出はやはり気が晴れます。

前期は~2月1日(月)まで。後期は2月2日(火)~2月16日(火)まで