酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

読書三昧(27年11月)

2015-11-30 14:25:13 | BOOK


読書三昧(27年11月)

寒さがきびしくなってきた。ベッドでごろごろしている時間がますます長くなっている。薬の副作用で足がしびれているせいか、外へ出て歩かないとたった一日でも足が退化する感じ。頑張って外へ出なくては!

11月に読んだ本
加藤シゲアキ『傘をもたない蟻たちは』
米澤 穂信『王とサーカス 』
羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』
岩城けい『MASATO』
三谷幸喜・松野大介『三谷幸喜創作を語る』
橋睦郎『百人一句』
能村研三句集『催花の雷』


☆加藤シゲアキ『傘をもたない蟻たちは』
この作者に「ジャニーズ事務所のNEWSのメンバー」という紹介はもう不要のようだ。この作品は六篇の短篇からなるが、小説家としての才能を十分しめしている。主人公が男であったり女であったり、職業が学生だったりサラリーマンだったり作家だったり、シチュエーションはいろいろだが、それぞれの発想に意外性がありとてつもなく面白い。中で私は『Undress』や『インターセプト』のようなどんでん返しのある作品が好き。今後もベストセラー作家として大活躍しそうな予感がある。お薦め!
この作品はフジテレビ・2016年1月放送の「土ドラ」でドラマ化が決定している。

☆米澤 穂信『王とサーカス 』
非常に丁寧に書かれたという印象。女性のフリーライターがネパールで偶然国王などの王族殺害事件に出くわす。主人公・太刀洗万智は報道とはどうあるべきかを絶えず問いかけながら取材を続ける。ジャーナリストのあり方を問いかけながら、一方ミステリーとしても一級品。最後まで飽きさせない。米澤 穂信の作品は過去に『インシテミル』や『満願』を読んでいるが、今回の作品が一番面白いと思った。これもお薦め!!

☆羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』
今年の芥川賞受賞作品。死にたい死にたいと毎日言う87歳の祖父と暮らす孫・健斗。祖父の希望をかなえるために、何か出来ることはないかと考えた健斗は・・・。
老人介護の問題をとりあげているが、この小説にしめっぽさは微塵もない。弱っているようでしたたかな面も持つ祖父とドライな考えの健斗とのやりとりを、私は面白いと思ったが評価は分かれるかもしれない。

☆岩城けい『MASATO』
父親の転勤でオーストラリアの現地校の5年生に転校した男の子が小学校を卒業するまでの話。苦労しながら現地生活に馴染んでいく中で、自立していく姿は心温まるが、日本を離れられない母親との葛藤は生々しい。両親の意見の食い違いの部分はもう少し整理して短くても良かったかな。

☆三谷幸喜・松野大介『三谷幸喜創作を語る』
インタビュー形式で三谷が過去の自分の仕事(舞台・テレビ・映画)について語る。朝日新聞夕刊の連載記事「三谷幸喜のありふれた生活」と重なる部分もあるが、三谷の映画や舞台作品はほとんど見ているので、すごく興味深い。この本に書かれている作品の中で私が一番好きなのは、2007年の舞台でゴッホなど画家を題材にした『コンフィダント・絆』。

☆橋睦郎『百人一句』
短歌に「百人一首」があるなら、俳句に「百人一句」があっていいだろうという作者の発想から生まれたという。前連歌時代から近年までの百人の一句を取り上げ、句を楽しみながら俳諧の流れがわかるよう構成。全生涯をかけて俳諧・俳句に取り組んだ人達がいかに多くいたかを教えられる。

☆能村研三句集『催花の雷』
新涼や家霊棲みたる書架の奥
三脚をさす夏草の香を宥め
義士の日の妥協許さぬ会議あり
後ずさりして見る実梅あるわあるわ
木の家に木の節あまたあたたかし



『ブロッケンの妖怪』

2015-11-20 18:45:05 | 演劇


『ブロッケンの妖怪』   (於)シアタークリエ

作・演出:倉持裕
出演:竹中直人/生瀬勝久/佐々木希/大貫勇輔/安藤聖/田口浩正/高橋惠子

竹中直人と生瀬勝久のユニット「竹生企画」による第2弾作品。

霧の海の上に別の洋館が現れるという「ブロッケン現象」が見られる孤島の洋館に、絵本の着想を得ようと訪れた絵本作家の打越(竹中直人)と担当編集者の黒柳(生瀬勝久)だったが、そこの住人である日ノ原家の人々は・・・。
笑いと怪奇が入り混じるホラーコメディという仕立て。

『のだめカンタービレ』の竹中直人と『トリック』の生瀬勝久のコンビと聞くと誰だって大爆笑を期待してしまう。ただ二人の第1弾作品『ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~』もそうだったけど、残念なことに今回も不満が残る。

倉持脚本はいつもどおりの雰囲気で悪くないと思うが、竹中直人のオーバーアクションが、ふんわかムードの倉持作品に合わない気がするし、ユニットを組む生瀬勝久との掛け合いにも微妙なずれをもたらしてしまう。同じ倉持作品である「鎌塚氏」のシリーズの面白さなどに比べるとかなり笑いの質で見劣りがするように思うのだが。

舞台初出演の佐々木希も頑張ってはいるが、セリフも動きにもたどたどしさが残り全体を盛り上げるには力不足。
中では日本有数のダンサーで最近はミュージカルやストレートプレーでも活躍の大貫勇輔が日ノ原家の使用人役にぴったりはまっているのに注目した。

また舞台背景としても芝居の場面としても見事に使われている映像は特筆もの。

この芝居を見たまわりの演劇フアンに聞いてみると「素直におもしろい」と意外にも評判は悪くない。私の期待が大き過ぎたのかもしれない。
シアタークリエ公演は11月29日(日)まで


中島みゆきConcert『一会(いちえ)』  

2015-11-17 12:58:17 | コンサート



中島みゆきConcert「一会(いちえ)」(於:東京国際フォーラム ホールA)に行ってきました。

収容人員5千人。さすがにすごい人です。開場の時ずいぶん並ばされて、やっと動いたと思ったらいつのまにか、並んでない人まで入ってきている。会場整理が何か変。(病人はいらいらしては駄目なんだけど)少しムカッとして入場。

でも中島みゆきのいろんな曲調をあやつる自在な歌声と、軽妙なトークにすっかり酔い気分もすっきり。
みゆき初心者の私が知っているのは20曲のうち2曲しかありませんでしたが、それでも十分元気になれました。

東京駅近辺のイルミネーションを楽しみながら、いい気持ちで帰りました。

『宮古島のグアバ』

2015-11-09 12:03:29 | 食べ物


「宮古島のグアバ」

珍しいからと宮古島のグアバいただきました。果肉の白いものです。
味はう~ん・・・。売っているグアバジュースの甘さを期待したのですが、匂いはすれども、味は殆どありません。ネット情報を見て塩をかけてみたのですが、あまり変わらず。
期待が大きすぎたのかもしれません。

『デザイナーベイビー』と『遺産争族』

2015-11-08 21:28:13 | テレビ



秋のテレビドラマは、NHKの「デザイナーベイビー」とテレビ朝日「遺産争族」を見ている。

「デザイナーベイビー」は妊娠8カ月の刑事・速水悠里(黒木メイサ)が遺伝子操作の謎を追う話。身重で捜査に走り回るのは違和感あるがストーリーは面白い。回を追うごとに面白くなってきたと思ったらもう来週が最終回とのこと、残念。

「遺産争族」は病院の研修医・佐藤育生(向井理)が婿入りした葬祭業の大家族の中で、遺産相続問題に巻き込まれる。まだはじまったばかりで主人公の立ち位置がはっきり見えないが、祖父役の伊東四朗と義父役の岸部一徳のつばぜり合いが絶品。

『MOMAT コレクション 特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。』

2015-11-07 10:46:29 | 美術


「MOMAT コレクション 特集:藤田嗣治、全所蔵作品展示。」

来週は病院で点滴が続くので、元気なうちにと竹橋の「東京国立近代美術館」に行ってきました。目的は藤田嗣治の作品26点。

今回は戦争画が14点あるのでいつもの藤田展とちょっとイメージが違います。大作の戦争画が続いたあとにある小さな絵『少女』を見るとほっとします。しかしその少女の視線も厳しいのですが・・・。

藤田がどんな気持ちで戦争画を描いたかのヒントを与えるような展示になっています。他にも『自画像』や『五人の裸婦』『猫』など有名な作品があります。

65歳以上と18歳未満は無料だったので平日でも混むかと思ったのですが、意外にゆったり見られました。
会期は12月13日まで。

オダギリジョー主演の映画「FOUJITA」も11月14日から上映され、しばらく藤田に注目です。

読書三昧(27年10月)

2015-11-01 18:43:19 | BOOK


読書三昧(27年10月)

寒くなってきました。中々起きられません。限られた時間をベッドでごろごろしているのは、もったいないのですが体が動かないのでどうしようもありません。
今日は全日本大学駅伝で東洋大学が初優勝しました。毎年メンバーが変わるのにどの大会も上位はすごいことです。箱根も楽しみ!

10月に読んだ本
坂東眞砂子『真昼の心中』
伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』
矢部 宏治・ 須田 慎太郎『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド』
諫山 創漫画『進撃の巨人3』
和田 遊句集『生きて生かされて』

☆坂東眞砂子『真昼の心中』
短篇7篇を収録。内容は「官能時代小説(言葉がちょっと古い?)」の趣。ただ江戸時代の女性が自分の生きたいように生きているのが描かれすっきりした読後感あり。

☆伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』
これも短篇7篇が収録されている。伊坂幸太郎らしい奇抜な発想もあるのだが、正直あまり面白くない。中では最初の「浜田青年ホントスカ」がいいかも。

☆矢部 宏治(著), 須田 慎太郎『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド』
基地の観光ガイドとはうたっているが、憲法・安保などわかりやすく読み説いた解説書。
知らなかった沖縄問題をいろいろ教えてくれる。結論までしっかり書いてあるが、これからどうするかは私達が自分自身で考えていかなければならない。

☆諫山 創漫画『進撃の巨人3』
映画『進撃の巨人』の原作漫画本。映画は見たけど漫画を読んでいなかったので、ためしに買ってきた。漫画というより劇画の感じ。映画の巨人が漫画のイメージに近く、うまく作ってあるのがわかる。

☆和田 遊句集『生きて生かされて』
あたたかき冬なりパスタ巻きをれば
一文字を一気に書いて筆始
ひた押しにくる流氷の鼓動かな