酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『通し狂言 裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)』

2007-08-27 16:11:55 | 演劇
歌舞伎座の八月納涼大歌舞伎の第3部
『通し狂言 裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)』見てきました。
 
人気狂言『伽羅先代萩』(見たことないのですが・・・)の世界を「表」に、世話物らしい小悪党・小助の活躍を「裏」の物語として加えた趣向のお話です。

中村勘三郎が三役で、足利家転覆をもくろむ悪臣の仁木弾正、道益の二百両を狙っている下男の小助、鶴千代の乳母・政岡を演じます。

勘三郎は私の印象では、弾正や小助役が得意そうですが、この芝居では悪役としては中途半端な役どころで、はじけるところがなくてやりにくそうでした。

今回は、わが子千松と共に幼い鶴千代君に仕える、乳母・政岡がメインです。
踊りでは見たことがありますが、芝居で勘三郎の女形を見るのは初めて。

毒入り菓子を千松に毒味させ、鶴千代君を守ります。
毒殺発覚を恐れた弾正の妹八汐に、千松は殺害されてしまいます。

幼君のかわりに、自分の子供が殺されるのですが、その場は悲しみを押し殺し、敵が去ってから悲しみを爆発させる乳母・政岡の演技は見ものでした。

細川勝元とその家臣・倉橋弥十郎の二役の坂東三津五郎の、裁き役も颯爽としてよかったです。

ただ大詰の一件落着後のシーンがだらだらして、じれったいのですが、歌舞伎だからカットしてしまうなんてできないんでしょうね。

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

2007-08-26 00:21:50 | 映画
遅くなりましたが、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』見ました。

蘇ったヴォルデモート郷に対抗するため、ダンブルドア軍団を作りハリーが学校の仲間に防衛術を指導します。
でも苦労して教えたわりには、ヴォルデモート郷は最後の方に少ししか出てこないし、防衛術も大して役に立ったように見えません。
ハリーも怒りっぽく、暗い印象です。

しかし映画全体としては面白く出来ています。愛と友情をベースに後味のいい話になっています。
それにいつものことながら、見事な映像です。

ハリーをはじめ、可愛いかった子供たちも、びっくりするほど成長しました。

ただハリーがもうちょっと明るい役なら楽しいんですが。ガールフレンドともうまくいってないみたいだし・・・、悲壮感がただよっていて可哀想になります。


『江戸の怪(あやか)し』

2007-08-17 10:39:54 | 美術館
原宿にある浮世絵の「太田記念美術館」に行って来ました。

何の興味もなかった浮世絵を見はじめたのは、東洋大学の通信のスクーリングで、藤澤 紫先生の講義を聞いたのがきっかけです。

浮世絵を知ることは、江戸時代の風俗や旅、歌舞伎や印象派の絵など興味の対象が限りなく広がっていくのが魅力です

今回は『江戸の怪(あやか)し』(8月26日まで)と題して、幽霊、妖怪などに関わる浮世絵の展示。
北斎漫画や広重の作品もありますが、点数の多いのは、月岡芳年の「和漢百物語」、楊州周延「東錦昼夜競」のシリーズものです。
明治時代に活躍した人であまり知られていないようですが、楊州周延の描く女性は、表情がしっかりした感じで中々魅力的です。

この猛暑の中、幽霊、妖怪を見て涼しくなろうと行ったのですが、怖さの面ではパンチ力不足でした。


『魔笛』

2007-08-11 00:30:20 | 映画
今日は雰囲気を変えて、映画『魔笛』を見ました。
キャッチフレーズは「映画とオペラの最高に贅沢で幸せな出遭い」!

モーツアルトの最高のオペラを、天才ケネス・ブラナー(シェイクスピア劇の映画化で有名らしい)が完全映画化したというのですが、オペラ音痴には今ひとつぴんときません。

ミュージカル映画『オペラ座の怪人』の場合は、歌とストーリーが見事にミックスしていましたが、この『魔笛』は歌にイメージ映像が付いただけの感じです。

オペラ歌手のすごさは素人でもわかるのですが、映像ばかり凝っていて物語がなおざりになっています。「善と悪が途中から入れ替わる奇想天外なプロット」と言う割りには、パミーナの母親である夜の女王がどうして悪なのかが、映画を見ただけではよくわかりません。

それに加えて翻訳の、こなれない日本語にもうんざり。
歌の翻訳は難しいとは思うけど、もうちょっとなんとかならないのですかね。

『魔笛』は全体に結構賑やかです。音響のいい新宿高島屋12階のテアトルタイムズスクエアで見たのですが、耳がわんわん鳴りっぱなしでした。いくらいい声でも長時間は、オペラマニアでないと無理なのかもしれません。


残酷な夏

2007-08-05 11:17:26 | 演劇
暑いですね!
夏ばてで気力ありません。新しいブロネタもないし。

ぼんやり考えていたら・・・最近見た四つの芝居。

長塚圭史の『少女とガソリン』が腕を切り落とす話、
中村勘三郎の『三人吉三』は首を切り落とす話、
野田秀樹の『THE BEE』が指を切り落とす話。
なんと蜷川幸雄の『藪原検校』など、胴体を三つに切り離すと言う話なんです。

なにげに見てますが、芝居も結構内容は残酷です。