酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

茅ヶ崎市美術館

2006-08-28 22:43:58 | 美術館
「北斎 広重の湘南―風景と人物―」と題して、18年9月10日まで湘南にかかわる浮世絵を展示している。
(JR茅ヶ崎駅南口より徒歩8分)

現在展示中の見ものはやはり歌川広重の東海道五十三次もの。
全体の伸びやかな味わい、一人一人個性的な人物、デフォルメされた背景の山の形など、何度見ても感心させられる。北斎の東海道も一部あるが広重には到底及ばない。
また広重の端正な肉筆画「武相名所手鑑 南郷之松原左り不二」もあった。広重作品の比較としては興味深いが、残念ながら版画ほどの面白さはない。

他に渓斎英泉、歌川国芳、喜多川歌麿(二代)などの作品と明治のものが少しあった。

浮世絵は茅ヶ崎市美術館開館以来初めての企画とのことだが、是非続けて欲しいものである。


大田区立龍子記念館

2006-08-22 13:40:07 | 美術館
大田区立龍子記念館に行った。
 ■JR大森駅山王口より、東急バス4番荏原町駅入口行乗車 臼田坂下にて下車、徒歩2分
 ■都営地下鉄浅草線、西馬込駅南口より徒歩20分
 (月曜日休館 入館料200円)
画家川端龍子の記念館である。建物は龍の形で、龍子画伯自身の設計によるものという。
現在 川端龍子名作展 所蔵展「川端龍子の世界」を開催中(12月21日まで)
龍子の作品をまとめて見たのは初めてだったが、大作が多いのに加え、作品の内容も幅広く見ごたえがあった。解説が龍子画伯自身の手で書かれているのも楽しい。

私が特に魅かれたのは、花の下で酒を酌む河童が描かれた「花下独酌」と、豊満な裸婦が蔓に絡まれている「山葡萄」。色彩も自在である。
職員の方から絵の一つ一つに丁寧な説明があり、制作当事の時代背景なども教えていただいた。

道を挟んだ龍子公園は保存された龍子の住まい。巨大なアトリエや庭園もある。11時・13時・15時の3回、案内つきで見学できる。
私も案内してもらったのだが、当日は蚊が多くて解説も上の空。秋にでもあらためてゆっくり訪ねようと思っている。


東洋大学通信・夏期スクーリング

2006-08-18 18:45:40 | 東洋大学
大学の夏期スクーリングで、3日間の集中講義を受けた。課目は「仏語圏文学文化と日本」簡単に言えばフランス文学史である。
「文化」という言葉で学生の興味をひくことと、教授側にも内容に一味加えてもらおうと言うことだろう。学生数減少時代に入った、大学側の苦労が垣間見える。

ボードレールやランボーの詩・サン=テグジュぺリやカミュの小説など、対象は幅広い。普段、手を出さないものに目を向ける機会が出来るのが授業の魅力である。

予習で読んだカミュの『異邦人』が面白かった。自分の意のままに生きているだけで、いつか世間から排除されていく青年。彼はその不条理を認識することで、幸せな気分で死に対峙できる境地にまで至る。全面的に主人公ムルソーに共感できるわけではないが、結構感情移入ができる。今までカミュ=哲学的と食わず嫌いしてきたことを反省。
残念なことに授業では、同じカミュの『シーシュポスの神話』の方が題材になって予習の効果はなかったが・・・。

もうひとつスライドで見た『星の王子さま』の作者サン=テグジュぺリの顔が、日産のカルロス・ゴーン(ちょっとミスタービーンにも)似ているのも、面白い発見だった。


トリック劇場版2

2006-08-12 12:54:05 | 映画
これだけは見落せない「トリック劇場版2」をやっと見ました。
仲間由紀恵と阿部寛の他愛のない会話、ネタの古いギャグ、昔テレビで見たことのあるなつかしい出演者。そして今回の霊能力者は、あの「スター誕生!」の片平なぎさ。
ストーリーといったって、ばかばかしい手品のようなものの繰り返し。
ところが、これらが集まると、一つの独特の世界が出来上がる。とにかく面白いのである。
テレビにしろ映画にしろ、私にとって「トリック」は麻薬のようなもの。見終わって幸せな気分になれ、また次を期待してしまう。
堤幸彦さん止めないで!


オペレッタ狸御殿

2006-08-07 16:39:14 | 映画
監督・鈴木清順 出演・チャン・ツィイー・ オダギリジョー・ 薬師丸ひろ子
映画館で見過ごした「オペレッタ狸御殿」をビデオで見た。
昔、同じ鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』を見た時は正直、わけもなくただ凄いと思った。
そんな監督に、いまの時代に「狸御殿」なんて撮らせるのは誰だぁ~という感じ。
ビデオで見たから、映像の面白さでまあいいかって感じだけど、金払って映画館で見たらどう反応すればいいの???
カンヌに特別招待されたというけど、観客もあっけにとられたのでは。
日本映画の暗さ汚さを、意味ありげにもてはやす一部の人達への、80歳を超えた監督の抵抗とでも見ればいいのかな。