酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

読書三昧(29年2月)

2017-03-02 18:38:08 | BOOK




読書三昧(29年2月)

新しい抗がん剤の副作用が意外に軽くて、外出できたのがうれしい。
ただ治療効果がわかるのは少し先。効果が無ければ何の意味もないが・・・。祈るのみ。

2月に読んだ本
奥田英朗『variety(ヴァラエティ)』
津島佑子『狩りの時代』
恩田陸『蜜蜂と遠雷』
岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿5ーこの鴛鴦茶がおいしくなりますようにー』
野田秀樹戯曲『足跡姫 時代錯誤冬幽霊』

☆奥田英朗『variety(ヴァラエティ)』
本としては短編7、対談2、ショートショート1での構成。あとがきで作者が言うように全体として一貫したものはない。
短編の中では、独立して会社を興し性格が変わっていく同じ主人公の登場する「おれは社長だ!」「毎度おおきに」が面白い。対談は2つとも盛り上がりに欠ける感じ。

☆津島佑子『狩りの時代』
病気の作者が精魂込めて最後に書き上げた小説。まだ病床で推敲の途中だった。
未完ではあるが、娘の津島香以と編集者の相談で出版したという。
作者がもつ差別への思いは、一人の読者としてなんとか受け止めたい気持ちにさせられた。ただ主人公、絵美子の「フテキカクシャ」という差別用語に対する思いや、子供のころ日本に来たヒトラー・ユーゲントの少年と出会うエピソードなどからだけでは、私には作者の思いが十分伝わってこなかった。

☆恩田陸『蜜蜂と遠雷』
ピアノコンクールに挑戦するコンテスタントの苦闘、悩み、よろこびなどが、生き生きと描かれた小説。
私のピアノとの繋がりと言えば、小さな子供のピアノ発表会を聞いたことがあるぐらい。ピアノ曲も作曲家の名前も知らない。そんな私がピアノの演奏を言葉で表現するこの小説に引き込まれるのだから一言で言えば凄い! 
ピアノの楽曲を文章化し、それで読者にイメージを浮かべさせ、違和感なく作品に引き込んでしまう凄さ、あらためて恩田陸という人の才能にビックリした。さすがに後半の第三次予選の章ぐらいになると、、語られる音楽に多少飽きたが、それでも最後までグイグイ引っ張っていく筆力には驚かされる。
直木賞も当然の結果だろう。お薦め。

☆岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿5ーこの鴛鴦茶がおいしくなりますようにー』
タレーランのシリーズの中で一番読みごたえを感じた作品。源氏物語を味付けに、青山くんと二人の女性の間での微妙な心の動きもあり中々面白い。
謎解きは源氏物語に疎い私にはちょっときつかったが・・・。

☆野田秀樹戯曲『足跡姫 時代錯誤冬幽霊』
2月22日に見た芝居『足跡姫』の脚本。芝居より面白いかも。


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