酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『酒と涙とジキルとハイド』

2014-04-27 17:44:50 | 演劇


「酒と涙とジキルとハイド」

東京芸術劇場では4月30日(水)まで、その後天王洲 銀河劇場で5月4日~18日

作・演出:三谷幸喜、出演:片岡愛之助・優香・藤井隆・迫田孝也

ロバート・ルイス・スティーヴンソン原作の小説『ジキル博士とハイド氏』をベースにした、三谷幸喜の書きおろしの舞台。

会場大笑いで大成功と言えるが、笑いの質はそれほど高くないと見た時は思った。
しかしあとで考えてみると、ひょっとしてこの芝居で三谷の一番描きたい人物はジキル博士の助手(迫田孝也)ではないのかと気がついた。
陰翳のある人物で助手としてみんなの面倒をみているように見せながら、実際は他の人たちを手玉にとっている。
本当のジキルとハイドはここにいた。
この人物に焦点を当てて見ていればもっと面白く見られたかも。

片岡愛之助は枠にしばられるジキル役をそつなくこなすが、演技の方まで枠をはめられた感じで期待に比べると物足りない。
藤井はそれらしく、初舞台の優香も可愛く演じる。

『サンブンノイチ』

2014-04-06 17:37:12 | 映画


「サンブンノイチ」
監督・脚本:品川ヒロシ、原作:木下半太、出演:藤原竜也、田中聖、小杉竜一、中島美嘉、窪塚洋介、池畑慎之介

人生の一発逆転をかけた銀行強盗で得た大金を、3人がどう分けるかから話はどんどん広がって・・・・。

テンポは早く、おまけに騙し騙されの二転三転、小ネタの笑いも散りばめられ、楽しい映画である。
ただ騙しあいのどんでん返しは、最近映画でも舞台でも数多く、ちょっと食傷気味ではある。

映像的には、壇蜜がホテルの廊下を去っていくシーン、颯爽としてナイス。

演技陣は、キャバクラ「ハニーバニー」店長シュウの藤原竜也は役にぴったりかどうか疑問。シュウの弟分コジ役を演じる田中聖の方が役にはまり、いい味を出している。中島美嘉(まりあ)は演技はともかく不思議な存在感で見せる。

上映開始したばかりで、観客が30人にも満たないのはちょっと心配だが、軽いノリについていける若い人におすすめ。

読書三昧(26年3月)

2014-04-03 19:30:15 | BOOK


読書三昧(26年3月)

暖かくなってきた。家にいても落ち込むばかりなので、思い切って映画や芝居に出かけることにした。途中で気分が悪くなることもあるが、気持ちは晴れる。
その分先月は本をあまり読めなかった。

3月に読んだ本

中村文則『王国』
湊かなえ『高校入試』
吉田修一『さよなら渓谷』
潁原退蔵編註『芭蕉文集』
中根美保句集『軒の灯』

☆中村文則『王国』
この作者の『掏摸』を読んだ時は、多少気障っぽい文章に違和感を感じたが、いつの間にかすっかりはまってしまい、心地よく感じるようになってきた。
作者が『掏摸』の兄妹編と位置づけるように、主人公の男が女に、象徴が「塔」から「月」に変るが世界観は似ている。
全体的には倦怠感や絶望感を漂わせながらも、ほんの少し希望も感じさせるところが絶妙。

☆湊かなえ『高校入試』
地方有名校の高校入試にまつわる事件の話。犯人探しも面白いが、事件に対処する12人の先生のキャラが何ともいえず可笑しい。私はその場しのぎで、何事にもいいかげんな英語の坂本先生が好き。

☆中根美保句集『軒の灯』
我があとに道らしきもの茸山
夏の山ずり落ちさうに茶屋ひとつ
引けばすぐほどけるリボン山眠る