酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

自然教育園

2009-03-31 18:49:39 | Weblog
俳句の「鳩の会」の今月の兼題が『一人静』。見たことがありません。
そこで仲間のKさんが教えてくれた目黒の国立自然教育園へ行きました。

ありましたありました。入口を入った右側、すごく小さな花です。一本の茎に一つずつ白い小さな花がついています。それが一群れ30本から50本位あります。葉っぱは艶やかでした。
写真はその一人静です。せんりょう科だそう。

自然教育園の入口近くでは桜がほぼ満開。他に、しゃが、にりんそう、山吹などが咲いていました。

『少年メリケンサック』

2009-03-30 22:40:27 | 映画
「少年メリケンサック」
監督:宮藤官九郎、出演:宮崎あおい・佐藤浩一・木村祐一ほか
昔のパンクロック4人組を復活させようと、宮崎あおい扮するレコード会社の契約社員が頑張る話。バンド名は「少年メリケンサック」。
今はみんな年取ってぼろぼろ。なんとか舞台に立たせるのだが・・・。

宮藤官九郎の笑いに、生き生きと動きまわる宮崎あおいがフィットして楽しい映画になっている。
バンドの若い時代は違う役者が演じるのだが、うまく結びつかないで困ったのは私だけか。

映画館は、春休みの中高生で埋まっていた。しかし映画の内容は、意外にノスタルジックで、人生の哀感を感じさせる。クドカンらしいが、中高生にはどんな感じで受け取られているのだろう。


「名画と出会う 印象派から抽象絵画まで」展

2009-03-26 18:59:04 | 美術館
ブリヂストン美術館の「名画と出会う 印象派から抽象絵画まで」展に行ってきました。
所蔵の有名絵画がずらっとあります。

中で一番目立つのはオーギュスト・ルノアールの「すわるジョルジエット・シャルパンティエ嬢」
かわいい少女の目が印象的な大作です。昨日の朝日新聞の夕刊にこの絵が大きく取り上げられていました(写真)。

他ではゴッホの「モンマルトルの風車」(「ひまわり」などとはタッチの違うすっきりした絵)、デュフィの「ポワレの服を着たモデルたち、1923年の競馬場」(緑が鮮やかです)などが目を引きました。

好みはルオーの「郊外のキリスト」。暗い感じの絵ですが、どこか魅力的。いつもはこの美術館の入り口にルオーの小品が掛っていたのですが今回は見当たりませんでした。

中々見応えあります。おすすめ!
東京駅徒歩5分。4月12日まで(月曜日休館)



『昔の女』

2009-03-22 18:39:16 | 演劇
「昔の女」(シリーズ・同時代【海外編】Vol.1)千秋楽を新国立小劇場で見た。

作者:ローラント・シンメルプフェニヒ 演出:倉持裕 
出演:松重豊・七瀬なつみ・西田尚美・日下部そう・ちすん

この芝居も平穏な家庭に、異人種が飛び込んでくる話。
引越し準備中の夫婦と一人息子の家に女が訪ねてくる。主人の昔の彼女であるという。女の波紋で夫婦の間に微妙なズレが生じはじめ、話は意外な展開へ。

演出は若い倉持裕。中々テンポよくすすむ。時間を前後させるのだが、舞台真ん中のドアが有効に使われる。新国立劇場ならではの立派な設備や照明も効果的に利用している。
シンメルプフェニヒの脚本はホラー好きにはたまらなく面白いし、舞台美術もシンプルだが見栄えがする。

演技陣では息子の恋人役のちすんが、めりはりのある演技で舞台を引き締めている。
全体的には喜劇的な部分でタイミングが悪く、客を乗せきれているとは言えないが、筋と構成の面白さでカバーする。

国立劇場でこんなおどろおどろしいのをやって大丈夫?と心配になるが、見応えは十分ある。若手演出家を積極的に登用し、いま新国立劇場が熱い。


『春琴』

2009-03-16 21:57:15 | 演劇
「春琴」見ました。
 演出:サイモン・マクバニー 出演:深津絵里・チョウソンハ他
 原作:谷崎潤一郎の小説「春琴抄」・随筆「陰翳礼讃」
 世田谷パブリックシアター 
 
主演の深津絵里が紀伊國屋演劇賞、読売演劇大賞女優賞、他に読売演劇大賞最優秀演出家賞などで既に評価されている舞台の再演。だから流れも演技も十分完成している。

サイモン・マクバニーの演出も見応えがある。文楽と同じように、三味線と語り(この場合は朗読であるが)そして人形とそれを動かす人形遣いが登場する。

主人公の春琴は最後の部分を除き人形が演じる。わがままなお嬢様になる人形の無表情さと、人形を動かす深津絵里の甲高いセリフがぴったりで役者が演じるより存在感がある。
また人形相手に演じる若い佐助役のチョウソンハの身体の動きがのびのびして気持ちいい。

しいて難を言えば、朗読によって全部語ってしまうので観客に想像の余地がないこと、演出の意図であるはずの「陰翳」の部分がほとんど伝わってこない (映像の利用が上手くいっていない) ことなど。

とはいえサド・マゾ風の谷崎の怪しい世界に、人形がうまくはまった魅力的な舞台である。


目刺

2009-03-13 23:36:59 | 東洋大学
俳句の[鳩の会]の兼題になっている「目刺」を買ってきました。
目に通した藁で、四匹が繋がっています。
二セット買って、網で焼き、酒の肴にしました。
おいしいのですが、二匹あれば十分でした。

他の兼題は「貝寄風」と「一人静」。「貝寄風」は難波の風だというし、「一
人静」の花は見たことがない。こんな題を出したのは誰だぁ~(笑)


「夜の来訪者」

2009-03-08 21:52:13 | 演劇
シス・カンパニー公演『夜の来訪者』を紀伊國屋ホールで見た。

原作:J・B・プリーストリー 演出:段田安則 出演:段田安則・岡本健一・坂井真紀・八嶋智人・高橋克実・梅沢昌代・渡辺えり

娘の結婚式を控える会社社長の自宅。婚約者もいて、皆で盛り上がっている時、警察のものだと言う一人の来訪者がある。若い女が薬を飲んで自殺したと言う。警官の質問に答えている内に、家族それぞれがその女に関わりがあることが明るみにでて・・・。

面白いミステリー仕立てなのに、時代設定や役柄の年齢など、見ていてどこか違和感がある。翻訳劇の難しさであろうか。

娘役の坂井真紀はセリフ、動き、表情のどれもいかにも芝居している感じが気になり、岡本健一もその婚約者というには生気がなさすぎる。
両親役の高橋克実と渡辺えりはそつなくこなしているものの、型にはまった役柄では小劇場の頃の個性を発揮できる場がない。二人の役は無名の役者さんの方が、主役の警官段田安則の演技を引き立てたかもしれない。

平穏な生活の中に異分子が入ってくる題材は、芝居には結構多い。古くは別役実の『マッチ売りの少女』、最近見たものでは、カフカ原作の『審判』、岡田利規演出の『友達』など。これらに比べ刺激的という部分ではかなり劣る。
効果的な最後の場面を生かすためには、もう少し緊迫感を盛り上げる過程が必要だろう。