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もう千秋楽も終わってしまったけど、22日に見た芝居の感想をちょこっと。
「黴菌」 シアターコクーン
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:北村一輝・仲村トオル・ともさかりえ・長谷川博己・緒川たまき・山崎一・生瀬勝久・高橋恵子など
時は昭和20年。資産家の五斜池家の大きな洋館が舞台。
住人たちは戦争にも行かず、食べ物もふんだんにあるという世間とかけ離れた生活を送っている。
それぞれは手前勝手に生きているのだが、何か秘密を抱えている。お互いが交錯しあったり、新たな人物の登場で、秘密は少しずつ明るみに出る。
ケラ作品はストーリーが面白いので、自然に引き込まれてしまう。
今回は第一部の「東京月光魔曲」のミステリー路線とは趣向が大きく違う。
特にラストは兄弟愛が語られ、私的には肩透かしの感じなのだが、役者の演技力で十分満足させてくれた。
北村一輝が抜群の存在感で舞台を引き締め、山崎一が独特の陰影をつける。仲村トオルはこんなキャラクターも出来るのかというほどぶっ飛んだ役。
生瀬勝久がいつもの軽さに欠けたこと、長谷川博己に力みを感じた(「セカンドバージン」後遺症??)が、全体には水準の高い演技だった。
今回は昭和三部作の第二部。次の最終章の展開に期待したい。