「授業」 DDDD第四回イベント(ペンギン プルペイル パイルズ)
於:サラヴァ東京(渋谷区松濤)(29日の昼夜の2回公演のみ)
原作:ウジェーヌ・イヨネスコ
出演:小林高鹿、ぼくもとさきこ、近藤フク
早く着きすぎたが、ワンドリンク付きなので、ワインを飲みながら心地よい待ち時間。50~60人くらいの小さなスペースで、開演までは出演者も身近でぶらぶらと待機。
『授業』の前に、近藤フクと吉川純広の軽い二人芝居がある。
同窓会に集ったのはたった二人。いつまでもこない仲間を待つ間、ボール投げをしながら取り留めもない会話。いつか話は子供の頃死んだ同級生の話に。その死に二人は微妙に関わりが・・・。
最近ドラマなどで良く見るストーリーで、話に新鮮味はないが、とぼけた味わいの会話で見せる。もう一ひねり欲しいところ。
イヨネスコの『授業』は中村伸郎が、渋谷の「ジャンジャン」で永く上演をしていたのは知っていたが、舞台を見るのは初めて。中村伸郎の雰囲気から、穏やかな芝居だと思っていたが、以外にも衝撃的な作品。
『授業』の登場人物は初老の教授(小林高鹿)と若い女生徒(ぼくもとさきこ)、と召使(近藤フク)の三人。
教授の家を、若い女性が博士号試験合格のための個人教授を受けるために訪問する。授業は初歩の算数からはじまり、言語学の講義へと進むのだが、教授の指導は次第に熱を帯びて行く。それに対し最初は意欲的だった女生徒は次第に意欲をなくしていき、教授の話は上の空で、歯痛を訴える始末。激昂した教授は、女生徒をナイフで刺し殺してしまう。
しかし犠牲者はこの女生徒が初めてではなかった。
教授役の小林高鹿は安定した演技で厖大なセリフをこなす。女生徒役のぼくもとさきこは、独特の喋りがこの芝居に合っているのかどうか微妙。
教授のセリフが大半を占めるこの芝居は、言葉が重要な意味を持つ。翻訳のやり方で大きく印象が変わりそう。もう一度他の劇団での『授業』も見てみたいものだ。