前ふりが始まった。
昨日の日経新聞の1面は「処方薬 自宅で入手可能」である。
「20年度めど 在宅医療後押し」と見出しは続く。
この件については既に何度もブログでも紹介している。
いよいよって感じがする。
ただ記事では在宅医療が主体として書かれているが、その影に潜んでいるのは「遠隔」ではなく「オンライン」であることである。
3つの特区で認められている「遠隔服薬指導」はあくまでも特例としてであり、対象患者は離島やへき地に住む患者が対象となっている。
今、解禁しそうなのは「オンライン服薬指導」なので、医科で認められる職場などが含まれてくる。
そうなると処方箋の流れも変わる。
新聞の記事には何気なく「スマホ診療が広がれば高齢者や在宅患者だけでなく平日に病院に行きにくいビジネスパーソンや子育ての母親が医師の診察を受けやすくなるといった利点もある」としている。
まさにこの部分が「鍵」になる。
それにしても句読点もない長い文章だ。
「オンライン服薬指導」の解禁と共に見直されるのが「電子処方箋」である。
「電子処方箋」は2016年3月に認められているが、現状では使われていない。
なぜなら電子処方箋の発行には「電子処方箋引換証」も同時に発行しなければならない。
これは電子処方箋に対応していない薬局への配慮である。
そのルールを見直し、仕組みも変えるために、2019年度予算に電子処方箋の推進として「医療情報化等推進事業」に498万円の予算を組んでいる。
ただ、この予算は医療ネットワークを接続する実証実験の一環ようだ。
また3ページにある「きょうのことば」では服薬指導について書かれている。
「薬を渡す時だけではなく、かかりつけの薬剤師として服薬期間中の患者に継続的にかかわり、処方内容の改善などにもつなげている」としている。
これに続くのが「しかし継続的な服薬指導が十分にできているとは言いがたい」としている。
ここにも厚生科学審議会の影響が出ている。
そして「オンライン服薬指導」なら可能になると言いたいのだろ。
さらに「調剤薬局を対象にした厚生労働省の調査によると、薬を渡したあとの服薬指導について8割が必要だと感じているものの、実施しているのは4割にとどまっている」と付け加えている。
これを読んだら薬剤師の怠慢さを指摘されているようだ。
2020年はどうなるのか。
私が最も危惧していることは、国民が薬局や薬剤師に不信感を持つ事である。
何か今までやって来た医薬分業が患者本位ではなかったと否定され、服薬指導のあり方に手抜きがあったんじゃないかと思われては困る。
なぜこうなったのかの原点に立ち返り、薬剤師とはどうあるべきなのかを考え直す時期ではないかと思う。
そして、反省すべきは真摯に受け止め、抜本的に変える部分に向き合うべきじゃないだろうか。
そんなのど元に刃を突き付けられているような2019年がもうすぐ始まる。
札幌に帰ってきて気が付いたことがある。
それは、夜明け前でも外が明るいってことだ。
昨夜はクリスマスだった。
毎年、クリスマスには雪が積もっている。
その”雪あかり”が、なんとも優しい。