花ごよみ

映画、本、写真など・

横道世之介  吉田 修一

2012-10-22 | 本 ま、や行(作家)

横道世之介

時代設定は80年。
長崎で生まれ、埼玉に近い東京に住み、
サンバサークルに入って、
サンバを踊る18歳の大学生の1年間。

とても読みやすい小説です。

上京し大学に通うごく普通の学生の生活。
世之介の将来の
目指すところの基礎となった一年。

間に学生時代の友人のその後を挟んで、
描かれています。

世之介の周囲の人達の今と、
過ぎ去った日々。

可愛い祥子ちゃんなど
登場人物の人柄も、
それぞれ魅力がありました。

世之介も不快な所が全くないいい人。
読んでいるうちに、
隙だらけでごく普通の学生の、
彼の魅力に気づき
だんだん惹きつけられていきます。

純朴で愛すべき人間です。
世之介に関係した人達にも、
ほんわかとした、いい思い出を残したはず。

思ってもいなかったストーリーに、
心苦しくなりますが
やっぱり彼ならではの行動だと。

世之介に出会えたことが一番の幸せ。
お母さんがそう思っていて、
悲しいけれど温かい気持ちになりました。

高良健吾主演で映画化があるそうです。





コメント (8)
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