9.11同時多発テロで乗っ取られた、
旅客機の物語。
監督は、『ボーン・スプレマシー』の
ポール・グリーングラス。
テロリストにハイジャックされた
ユナイテッド93便。
ただ一機だけ、
ハイジャック犯の、
目的とされる地点に
到達することなしに至ったユナイテッド93。
そこに映し出された、推測される衝撃的な事実。
そして臨場感たっぷりのの映像。
未だに傷が癒えない現実もあるのに…。
出演者にはスター俳優は見あたらない。
映画を観ている者までが、
一体どうなっているのか
訳が分からなくなるほどの
複雑すぎる管理体制。
前半はまるでドキュメンタリーの様に
淡々と進行していきます。
そして最期に至る機内での様子。
この映画は、ハイジャック犯たちの祈りや
決行するときの心の動揺なども描かれていました。
絶望的な状況下でも勇気ある行動を起こした乗客たちの、
強い精神力。
愛する人に告げる電話の別れの言葉に涙、涙…。
色々な疑問点も取りざたされていますが、
真実に近いであろうあの日の衝撃的な映像に
残酷さと悲しさを禁じ得ません。
これが実話に触発されただけの
架空の物語であって、
いつものよくあるパニック映画のパターンのように、
この映画のラストだけを、
変更することが出来るならば
どれほどいいだろうかと…。
ふと、そんなことを思ってしまいました。
簡単に、感動した、面白かった等とは決して言えない、
見続けるのがつらくなる程の
重い内容の映画でした。