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ロケット

 ロケットこと、ロジャー・クレメンスがヤンキースに戻ってきた。通算348勝、4604個の奪三振数を誇る豪腕だ。今年の8月で45歳になるというのに、復帰戦では150kmの速球をびしびし決めていた。初回に1点、4回に2点取られたものの、味方の援護にも助けられ、通算349勝目を飾ることができた。この勝利でヤンキースは5連勝、翌日も打線が爆発して6連勝を飾り、勝率5割まで借金1、首位レッドソックスとのゲーム差は9.5ゲームに縮まった。(一時は14.5ゲーム差あったのだから5ゲームも縮まった!!)こうしたヤンキースの好調さはクレメンス効果だとNHKのTVでは言っていたが、確かに彼の復帰がいい影響を与えているのだろう。その存在感は敵味方を問わずに圧倒的なものがあるから、目に見えない効果が随所に現れているようだ。野球と言うゲームは精神面の作用が大きな力を持っているから、精神的な支柱がしっかりできたというのは今後のヤンキースにとって大きな力になると思う。9.5ゲーム差なんてすぐに追いつける、そんな雰囲気がチームに出てきたようで、応援している私も試合を見るのが楽しくなってきた。
 クレメンスが以前ヤンキースに在籍していたのは2003年まで、松井秀喜とは1年間一緒にプレーしていた。私がメジャーの試合を見始めたのもその年からであるから、2003年のことはよく覚えている。クレメンスが300勝を達成しようとする試合で、勝ち投手の権利を得て降板したら継投したピッチャーが打たれてしまい、300勝がお預けになったことが2試合くらい続いた。オーナーが激怒して打たれたピッチャーを解雇したとか噂が流れたが、それほど当時のヤンキースとっては大きな出来事だった。300勝と4000奪三振を同時に記録したカージナルス戦のビデオは今でもとってある。その時はその記録がどれだけ偉大なことなのかよく分かっていなかったが、メジャーの試合を見続けて5年目にもなると、そのすごさがよく分かるようになった。浮沈の激しいメジャーリーグで20年間もエースとして投げ続けることができた者にだけ可能な記録であるから、まさに大金字塔である。ここまで投げ続けるためにクレメンスが毎日過酷なトレーニングを積んでいるのを紹介するTV番組を見たことがあるが、そのハードさには驚いた。己を厳しくコントロールできる並外れた強靭な精神力がクレメンスには備わっているのだ。
 復帰戦を見ていたら、アナウンサーが「クレメンスが前回ヤンキースに在籍したときのチームメイトは、野手では松井・ジーター・ポサダ・ジアンビの4人しかいません」と言っていた。わずか4年前のことなのにヤンキースはそれだけ入れ替わりが激しいチームなのだろう。そこで、クレメンスが300勝を達成した試合の先発メンバーを調べてみた。
 
   1.ソリアーノ(2B)
   2.ジーター (SS)
   3.ジアンビ (1B)
   4.ポサダ  (C)
   5.ベンチュラ(3B)
   6.松井   (LF)
   7.シエラ  (DH)
   8.モンデシー(RF)
   9.J.リベラ(CF)
 
なんだかものすごく懐かしい。ベンチュラは松井にアメリカンジョークを連発していた愉快な男だし、ソリアーノは元広島の選手で今やメジャーを代表するスラッガーだ。ここにB.ウィリアムスの名前がないのはDL入りしていたからだと思うが、代役だったJ.リベラは現在エンゼルスで活躍している。モンデシーやシエラは引退したのだろうか?
 などと昔を懐かしんでいる暇などない。いくらヤンキースの調子が上がってきたとは言え、まだまだレッドソックスははるかかなたを走っている。8月末に予定されている直接対決までに何とか3ゲーム差程度までに差を縮めることはできないだろうか。私は不可能な数字ではないと思っている。クレメンスを中心にしてピッチャーが与えられた役割を確実にこなしていけば夢ではないと思う。ようやくエンジンが温まってきた松井が打線をグイグイ引っ張って行ってくれるはずだから。 
 一時は萎えかけた私の気持ちがここ数日来高まってきている。Let's go, Yankees!! 頑張れ、松井!!
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