(本文に含まれる画像はjesterが許可をいただいて撮影したもので、その版権はジョン・マーストン氏とルーク・マーストン氏、カナダ大使館に属します。無断で転載なさらないでください。)
カナダにすむイヌイットの文化については、以前壁かけ展についてお伝えしたことがあるのですが、今回はカナダの先住民族であるコースト・セイリッシュ族の木彫&クラフトです。
見に行く前にすこし勉強して行ったのですが、実物は思ったよりずっと迫力があり、プリミティブな力と完成された美しさが一体となった作品に陶然としてしまいました。
アメリカやカナダの先住民族の文化やイヌイットの文化には、同じモンゴロイドのDNAを持つ日本人のjesterとしてはどこか郷愁を感じるものがあり、また微妙に不思議な違和感もあって興味深く、いつも強く惹かれます。
いまカナダ大使館に於いて開かれている「太平洋にかかる橋:カナダ・日本美術交流展」では、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州出身の4人、そして2人の日本人アーティストによるグループ展を開催しています。
そのなかで、ジョンとルークのマーストン兄弟は、カナダ太平洋岸にあるバンクバー島南部の先住民族、コースト・セイリッシュ族の出身。
ご両親も木彫をやってらしたというご兄弟ですが、伝統と新しい文化の融合を目指した作品を精力的につくってらっしゃいます。
現在来日なさっていて、作品を見たあとに彼らの講演「コースト・セイリッシュのアート:その起源と未来」を拝聴し、また伝統の踊りを見せていただく機会に恵まれました。
(カナダ大使館広報部の方々に感謝します!)
例えばこの作品。
北国の杉の細かい年輪も美しい木彫。
上の部分は狼、狼のあばら骨から下の部分はシャチだそうです。
狼の尻尾のように見える部分が、シャチの頭部の先端の部分に重なっています。
彼らの神話では、森の狼と海のシャチは同一のもので、それぞれがそれぞれに変身しあうそうで、それを象徴した作品です。目の部分にはあわびの貝殻がはめ込まれ、歯は貝殻で出来ています。
またセイリッシュ族には独自の仮面舞踏の伝統があり、ジョン氏とルーク氏はポトラッチと呼ばれるこの儀式のための仮面、太鼓などの楽器や金銀のブレスレットなどの儀式用具もつくってらっしゃいます。
また、糸を紡ぐ時に使われるSpinning Whorlsやカヌーの櫂なども実用から装飾品として変化し、その芸術性を高めています。
一番上の画像は「鷲のトーキング・スティック」の上部なのですが、ネイティブ・アメリカンなどにもつかわれている、最強のコミュニケーション・ツールといわれる「トーキング・スティック」についても以前から興味を持っていたので、今回思わぬところでその実物をみられてとても感激しました。
この辺の文化も含めて、もうちょっと続けてマーストン御兄弟の作品の紹介をしたいと思っています。
(後記;以前の記事では、 一部、イヌイットと、コースト・セーリッシュ(カナダの先住民族)の混同がありました。お詫びして訂正させていただきます)
「太平洋にかかる橋:カナダ・日本美術交流展」
2008年4月2日(水)~ 5月15日(木)
於 カナダ大使館高円宮記念ギャラリー
詳しくはこちら。
カナダにすむイヌイットの文化については、以前壁かけ展についてお伝えしたことがあるのですが、今回はカナダの先住民族であるコースト・セイリッシュ族の木彫&クラフトです。
見に行く前にすこし勉強して行ったのですが、実物は思ったよりずっと迫力があり、プリミティブな力と完成された美しさが一体となった作品に陶然としてしまいました。
アメリカやカナダの先住民族の文化やイヌイットの文化には、同じモンゴロイドのDNAを持つ日本人のjesterとしてはどこか郷愁を感じるものがあり、また微妙に不思議な違和感もあって興味深く、いつも強く惹かれます。
いまカナダ大使館に於いて開かれている「太平洋にかかる橋:カナダ・日本美術交流展」では、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州出身の4人、そして2人の日本人アーティストによるグループ展を開催しています。
そのなかで、ジョンとルークのマーストン兄弟は、カナダ太平洋岸にあるバンクバー島南部の先住民族、コースト・セイリッシュ族の出身。
ご両親も木彫をやってらしたというご兄弟ですが、伝統と新しい文化の融合を目指した作品を精力的につくってらっしゃいます。
現在来日なさっていて、作品を見たあとに彼らの講演「コースト・セイリッシュのアート:その起源と未来」を拝聴し、また伝統の踊りを見せていただく機会に恵まれました。
(カナダ大使館広報部の方々に感謝します!)
例えばこの作品。
北国の杉の細かい年輪も美しい木彫。
上の部分は狼、狼のあばら骨から下の部分はシャチだそうです。
狼の尻尾のように見える部分が、シャチの頭部の先端の部分に重なっています。
彼らの神話では、森の狼と海のシャチは同一のもので、それぞれがそれぞれに変身しあうそうで、それを象徴した作品です。目の部分にはあわびの貝殻がはめ込まれ、歯は貝殻で出来ています。
またセイリッシュ族には独自の仮面舞踏の伝統があり、ジョン氏とルーク氏はポトラッチと呼ばれるこの儀式のための仮面、太鼓などの楽器や金銀のブレスレットなどの儀式用具もつくってらっしゃいます。
また、糸を紡ぐ時に使われるSpinning Whorlsやカヌーの櫂なども実用から装飾品として変化し、その芸術性を高めています。
一番上の画像は「鷲のトーキング・スティック」の上部なのですが、ネイティブ・アメリカンなどにもつかわれている、最強のコミュニケーション・ツールといわれる「トーキング・スティック」についても以前から興味を持っていたので、今回思わぬところでその実物をみられてとても感激しました。
この辺の文化も含めて、もうちょっと続けてマーストン御兄弟の作品の紹介をしたいと思っています。
(後記;以前の記事では、 一部、イヌイットと、コースト・セーリッシュ(カナダの先住民族)の混同がありました。お詫びして訂正させていただきます)
「太平洋にかかる橋:カナダ・日本美術交流展」
2008年4月2日(水)~ 5月15日(木)
於 カナダ大使館高円宮記念ギャラリー
詳しくはこちら。
言い得て妙だなぁ~と、とっても共感しました。
ほんとに力強い作品ですね。
狼とシャチの話しも説明を聞くと尚興味深いです。
神話を持つことって民族の誇りを感じます!
トーキング・スティックって初めて知りました。
で、マイ母親は、一生「見えないトーキング・スティック」を握りしめてた人なのかなぁ~と、アホな感想。
(いつも自分だけ喋り倒してましたからね~)
コメントありがとうございます!うれしいです♪
>モンゴロイドの郷愁と不思議な違和感って、
言い得て妙だなぁ~と、とっても共感しました。
似ているんだけど微妙に違う・・・
農耕民族と狩猟民族の違いでしょうか?
そのへんがおもしろいんですよね~
>狼とシャチの話しも説明を聞くと尚興味深いです。
彼らにとっては狼とシャチは恐ろしくて偉大な生き物って事なんでしょうね~
>マイ母親は、一生「見えないトーキング・スティック」を握りしめてた人なのかなぁ~と、アホな感想。
(いつも自分だけ喋り倒してましたからね~)
わははははh!!!!
かなり受けました!
そっか~~
トーキング・スティックを離さない人って、究極のコミュニケーションロスに陥るのですね~~!
笑いました!!