APXS(Alpha Particle X-ray Spectrometer)は、目標物の表面に接触させて岩や土中のNaから重元素まで分析します。
元素キュリウム(Cm)の放射性崩壊によって放射されたアルファ粒子とX線を試料に当ててその反射を測定することで分析します。
主要成分のみの分析は、10分程度で可能ですが、微量成分も含めた全成分分析をするには、2-3時間かかるとのことです。
APXSは、MAHLIと一緒にロボットアームの先端に取り付けられています。
科学者は、岩と土のサンプルを選択して次に、ブラシをかけて岩の内部を露出させてAPXSを使用します。
科学者は、岩と土の元素組成の分析によって、その岩や土がどのように生成したか、そして、風、水あるいは氷によって変成を受けたかを理解しようと努力するでしょう。
APXSは、既に火星で使用された実績があります。
1番目は、1996年後半のパスファインダーがアルファ・プロトンのX線分光計を使用しました。2番目は、2004年1月に赤い惑星に着いた2つの火星探査ローバー(MER)に搭載されていたAPXSです。
CuriosityのAPXSは、改良版です。MERのAPXSと比較して分析時間、感度が格段に向上してます。
(注)MERでは、岩と土のサンプル中にAPXSによって検知された元素が、Na、Mg、アル、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、ZnおよびBrでした。 また、Ge、Ga、PbおよびRbが見つかった例があります。