7MHz CW 送信機の調整もほぼ終了したので、特性を見てみました。
ファイナルとドライバーのトランジスターには電源電圧 12V で約 260mA 流れており、ファイナルには約 3W 程の入力ということになり、 出力は 1W~1.5W 程度は出ているものと思います。
手持ちの電力計は、全てスケールが大きくて計ることができないので、終段入力電力から換算しました。
周波数の可変範囲は、L2 には標準の 22μH を使って最終的に 7020.7kHz ~ 7024.1(3.4kHz) となっています。L2 をおまけで付いてきた 27μH に交換すれば、もう少し可変範囲が広くとれそうです。
Tr2、Tr3 のバッファー段における出力波形をオシロでみると、高調波成分をかなり含んでおり、最終的なスプリアスの送出レベルが大きいのではと心配しましたが、左の写真のとおり、スプリアスは 2f の 14MHz が基本波に対し-50dB、3f の21MHz が-65dB まで抑えられており、無線設備規則に定められている基準 ( 50mW 以下で、基本波の平均電力より40dB 低い値) に対しても十分な特性となっているので、胸を張って使えます。Hi.
※L3、L4共に7MHzの同調点は、コアをかなり押し込んだ所にあります。また、コアをほとんど抜いたところでも同じく7MHzに同調しますので、丁寧に同調をとってください。
ちなみに私は、コアを抜いたところの同頂点を先に見つけてしまい、150pFのコンデンサを100pF位にもう少しで交換するところでした。Hi.
CW送信機の基板を組み立ててみました。約3時間ほどで基板は完成です。
基板が大きく作ってあり、部品の取り付けやハンダ付けがも苦労しません。初心者の方でも「てんぷらハンダ」にならないよう気をつければ、難しくはなさそうです。
テキストにはダイオード(2本)を取り付ける際の向きについての説明が無く、基板へダイオードを取り付ける際は、極性を間違わないよう気をつけてください。ダイオードの片方の周囲に線を引いてあり、これが「カソード」(ダイオードの配線記号の直線)になります。
これ以外は、基板にシルク印刷されたとおりに部品を取り付けていけばOKです。
その他の注意点は、「抵抗のカラーコード」と「コンデンサーの表示番号(101とか103)」の読み間違いをしないようよく確かめながら、部品をとりつけてください。抵抗はテスターで数値を確認しながら行った方が間違わないかもしれませんね。
完成した基板のVXOの発振周波数は、手持ちの周波数カウンタで計ってみると、7,016.26kHz ~ 7,021.47kHzまで可変でき、約5kHzほど周波数可変範囲(L1のマイクロインダクタは22μHを使用)があり、Mark5で受信してみると、きれいな直流音になっています。
ファイナル電力増幅段は、コネクタ類をまだ取り付けていないので動作させておらず、出力等の確認は、これからになります。
問題点はテキストにも記載されていますが、常時発振回路とバッファ回路を動作させており、この出力が結構大きく、横にあるMark5で、S9ほどの強さで信号が聞こえます。
基板をケースに入れずむき出しで動作させているためかもしれませんが、シールド等の対策がしっかりと必要かもしれません。
ミズホ通信㈱より販売されているパーツキットを仕入れてみました。
下の写真のようにコイル・コンデンサー・抵抗・水晶発振子・水晶ソケット・トランジスタ・放熱器・端子用ピンが含まれています。なお、抵抗は発売記念として無料サービスになっています。
このキットは、VXO用のポリバリコンが付いている「Aタイプ(4,600円)」とポリバリコン無しの「Bタイプ(4,100円)」の2種類用意されています。一応送信機ですし、格好をつけて?タイトバリコンの使用も考えてみたのですが、手っ取り早く、Aタイプのポリバリコン付きのものを仕入れました。
このキットは基板上の部品のみで、スイッチ類、同軸コネクタ用ジャック、メータ等の構成品は含まれていませんが、使用するケースに合わせ選ぶと良いでしょう。乾電池を使用すれば直流電源は不要ですが、消費電流を考えると電源を用意した方が実用的になります。電源を新たに用意するのであれば、秋葉原の秋月電子に9VACアダプターが数百円で販売してありますので、容量が1A~2Aクラスのものを利用すればコスト的にもよさそうです。
7MHzCW送信機プリント基板付の電子工作解説書がCQ出版より販売されていて、初心者向けの内容ではありますが、タイトルに引かれ購入しました。
「短波CW送信機の実験」(高田継男著、定価1,800円)というタイトル名の雑誌で、7MHzバンド1W出力の送信機プリント基板が付いています。
発振回路は水晶となっていますが、VXO方式を採用してあり、送信周波数を若干は動かせます。また、受信機と周波数合わせを行うためのキャリブレーションスイッチもあるので、出力が1WでありながらQRP送信機として実用になるよう考慮してあります。
説明は、初心者にも判るように丁寧に解説してあり、パーツ類が揃えにくい場合は、ミズホ通信㈱から主要パーツをセットしたものが頒布されているようで、こちらを利用すると簡単に部品が揃えることができそうです。
ただし、この1W送信機を実用にする場合は、送受信切替リレーやスイッチ類等は、自前で適当なものを調達しなければなりませんが、本書では、送受切替には3回路のスナップスイッチ、出力表示はLEDを使って仕上げるよう解説してあります。解説にこだわらず適宜変更して遊んでみるのも良いかもしれません。
部品やケースが揃ったら、作り始めてみようと思っていますが、1W出力のQRP送信機が7MHzでどれほど使えるか試してみるのも面白そうです。
プリント基板の表は写真のようにシルク印刷され、きれいに作られています。