最近,人身保護請求事件の国選代理人という珍しい体験をしました。
人身保護法は,本来,違法な拘束や監禁から早期に解放させることを目的に,英米法にならって立法された法律で,民事裁判所に拘束者,被拘束者を出頭させ(拘束者が被拘束者を理由なく出頭させないと,拘束者が勾留される,という強い制裁があります。),即刻判決がなされ,上訴は最高裁のみという,異色の法律です。
その裁判について,被拘束者のために選任されるのが,国選代理人です。
国選代理人は,事前に被拘束者等に面会し,その実情や要望などを聞き取って報告書を裁判所に出すことになっています。
わが国の人身護請求は,実際は離婚ないし別居中の夫婦間の子供の引き渡しを巡って利用されるのが大半です。
私の場合も,子供の利益のために考える立場でいろいろ調査をした次第です。
なんとか,平和的な解決を模索したのですが,結局判決の日を迎え,子供さんを裁判所が引取り,審理と判決が終わるまで別室で待ってもらうことになりました。
家庭裁判所の調査官が来て,子供さんに「シンケンジャーのDVD見る?」と尋ねました。
私は思わず「そのなもの見せるんか」と叫びました。
私は最高裁家庭局作成の「親権者」の在り方を説教するビデオと思ったのです。
その子供さんは「うん」と嬉しそうに答えました。
「えっ」と驚く私。
後から聞くと「真剣ジャー」というヒーローが活躍するテレビアニメのことだったようです。
世間知らずの私でした。
ジュニア
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この記事を読んだ後に、赤旗日曜版で詳細を知りました。
『親権ジャー』との表現には脱帽です。