日本裁判官ネットワークブログ

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非嫡出子の国籍確認訴訟、最高裁大法廷へ

2007年09月07日 | Weblog
一審と二審で判断の分かれた訴訟です。憲法判断がなされるでしょう。以下,読売新聞からです。

婚外子の国籍確認訴訟、最高裁が大法廷で初判断へ

 日本人の父親とフィリピン人の母親の間に生まれた子らが、両親が結婚していないことを理由に日本国籍の取得を拒否されたのは違憲だとして、国に日本国籍の確認を求めた2件の訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は5日、審理を15人の裁判官全員で構成する大法廷(裁判長・島田仁郎長官)に回付することを決め、関係者に通知した。

 父母の婚姻を国籍取得の要件とする国籍法の規定の合憲性などについて、大法廷が初めての判断を示す見通しとなった。

 国籍法は、日本人の父親と外国人の母親の間に生まれた非嫡出子(婚外子)について、出生前に認知された場合は日本国籍の取得を認めているが、出生後に認知された場合は両親が結婚しなければ国籍は取得できないと規定している。

ハラハラドキドキ:2回試験

2007年09月04日 | Weblog
 第60期司法修習生(現行型)の2回試験の発表がありました。私達修習地の指導官も昔とは比較にならないほどドキドキでした。結果は,71人の不合格者が出たようです。今年は,史上最多の不合格者数といわれていますが,昨年は,合格留保97人、不合格10人、合計107人(約7%)であり,今年は,合格留保制度がなくなったので,昨年と比べると,合格できなかった人の数は少なくなったのではないかと思います。ただ,昔に比べて,2回試験の重みが増したのも確かです。以下,時事通信からです。

最終不合格者、最多の71人=司法修習生の卒業試験-最高裁

 最高裁は3日、8月に実施した司法修習の卒業試験(修了試験)で、修習生1468人のうち71人(4.8%)が不合格になったと発表した。最終的な不合格者数としては過去最多。
 今回受験したのは主に2005年の旧司法試験に合格し、06年4月に司法研修所に入った修習生(現行60期)。

慶大大学院を1年間の会員資格停止

2007年09月02日 | Weblog
試験の公正のためには,何らかの対応は必要だったでしょう。今回の騒動で,新司法試験の信用が落ちることがないように願いたいところです。以下は,朝日新聞からですが,同記事からは,慶大大学院の法科大学院生に直接の不利益が及ぶ処分とまでは読めないですね。

法科大学院協会が慶大の資格停止 元教授問題、1年間

 新司法試験の「考査委員」を務めていた慶応義塾大法科大学院教授=8月に退職=が自分の学生を対象に答案作成の勉強会を開くなどしていた問題で、全国の法科大学院74校でつくる法科大学院協会(佐藤幸治理事長)は1日に開いた臨時理事会で、慶大大学院を1年間の会員資格停止とする処分を決めた。

 会員校の処分は初めて。慶大大学院は、総会で要望や意見を述べることや、協会主催のシンポジウムに出席することなどができなくなる。

 協会は調査報告書で、勉強会は大学院の教室を使って公然と行われていた▽元教授は大学院運営の責任を持つ立場にあった――などとして教授個人だけでなく大学院にも責任があると判断した。


進むか,取り調べの「可視化」

2007年09月01日 | Weblog
 当ブログでも度々登場する取調べの可視化ですが,試験的実施からいよいよ本格的実施になるのかもしれません。以下,時事通信からです。

取り調べの「可視化」推進=全地検で試行-法務省概算要求

 法務省は30日、2008年度予算の概算要求を決めた。一般会計総額は前年度当初予算比3.9%増の6768億円。一部の地方検察庁で試験的に行っている容疑者の取り調べを録音・録画する「可視化」を、全国に広げるための費用を盛り込んだ。
 検察官による取り調べの可視化は、09年から始まる裁判員制度をにらみ、今年2月から東京、大阪など14の地検で始めた。今回、全50地検のほか裁判員裁判の実施対象となる10支部に、録音や録画のための機材を追加・配布することを要求した。