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「再び猫を飼った後の騒動記」(その2)

2014年03月08日 | ムサシ

7 先日猫が1泊で避妊手術を受け,翌日連れて帰ったが,相変わらずのいたずら猫で,「クリ」という名のとおり,クリクリしたいたずらな目をしており,元気に走り回っている。動物病院でも,「クリクリしたいたずらな目をしていますね。」と言われた。
8 最近わが家は1階の居間も2階の部屋も,多くの部屋に椎の実が沢山転がっており,うっかり歩くと椎の実を踏みつぶすことになり危ない。全部で15個以上はある。なぜこんなことになっているのか,暫く謎になっていた。わが家は親子とも大のどんぐり好きなので,どんぐりが転がっているのであれば,まだ理解できないわけではない。以前何度も子供と沢山どんぐりを拾ってきて,玄関や居間,トイレなどの飾り(置物)として沢山置いていたことがあるからである。しかし椎の実を集めたことはなかった。ところがつい先日その謎が解けたのである。犯人はわが家のいたずら猫だったのである。
9 一体どこに椎の実があるのか。調べてみると何のことはない。わが家の裏庭に椎の実が沢山転がっていた。裏隣りの家に大きな椎の木があり,その枝がわが家の裏庭の上に伸びており,沢山の椎の実が落ちていたが,わが夫婦はそれを気に留めていなかったということである。「お隣りの 落ち葉はわが家の 庭が好き」という川柳があるが,わが夫婦は,それもまた風流であるとして,隣の落ち葉を歓迎する態度である。「お隣りの 椎の実もわが家の 庭が好き」ということであった。しかしなぜこの椎の実が家の中に沢山転がっているのだろうか。
10 わが家の裏側の1階の洗面所の窓の下の外壁には,妻の父の工作で以前飼っていた猫用の小さな階段が3段取り付けられており,少しだけ開いた洗面所の窓から猫が自由に出入りできるようになっている。そしてその階段を登ってきた猫が,口から3個の椎の実を吐き出すところを妻が目撃して,謎は解けた。猫は自分のおもちゃにするために椎の実を咥えてきていたのである。そしてあちこちに転がっている椎の実を前足で転がして遊んでいるという次第である。今も毎日少しずつ椎の実が増えている。
11 犬と猫のどちらも好きという人は多いが,実は本当にどちらも好きだという人はおらず,本当に好きなのはどちらか一方だけであり,もう一方はそこそこ好きであるに過ぎないという説がある。犬と猫の好きな人は,結局「犬人間」か「猫人間」のどちらかなのだという説である。もう40年近く前に読んで,記憶も不確かな話であるが,ある大学の法学部の教授が書いた「ざれごと随想」のようなものであった。そしてそれを読んで私は大いにその説に賛同したのである。因みに私は「犬人間」ということになる。妻と2人の子はおそらく「猫人間」であると思うが,近く確認することにしたい。
12 わが家では私が小学1年生のころ,近所の人から雌の子犬を貰って,子供たち4人は大層可愛がっていた。その後の10年近く,私が高校生になって家を出るまで,毎日その犬と一緒に生活していたので,私の青春時代の前半は犬と一緒に過ごしたと言ってもよい。そして私が猫を飼うようになったのは,それから約40年後のことであり,長女と次女は,犬でなく猫との生活が先行している。
13 私が「犬人間」であり,長女と次女が「猫人間」であるとすれば,それまでの生育環境からすると,いわば必然のことと言うべきであろうか。人はみんな生い立ちの中で接する機会のあった動物を好きになったのであり,犬は苦手という人は単に,子犬を飼って生活を共にした経験がないということに過ぎないのではあるまいか。(ムサシ)