日本裁判官ネットワークブログ
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最近の名張毒ぶどう酒再審請求棄却決定について,裁判所が検察・弁護側が論及していなかった理由で判断した,との報道がなされています。先の小沢さんの無罪判決でも明確な争点となっていなかった違法性の認識で結論が左右されたように感じました。

裁判官が記録や証人尋問の結果を精査して,検察官や弁護人が気がつかなかった論点に気づくことはままあることです。

しかし,それが結論を左右する重要な論点である場合には,なんらかの方法で当事者に明らかにして,双方に意見を述べさせる必要があるのではないでしょうか。

裁判官が気がついた論点が思い込みに過ぎない場合もあり得ますし,分析が不十分なこともないとはいえません。

とりわけ公判前整理手続が導入され,当事者に争点と証拠の絞り込みを要請する以上,それ以外の争点で決着をつけるのは慎重を要すると思います。裁判官の職権判断に限界を設けないと,争点整理の意味がなくなるおそれがあるからです。

私の思いつきですが,審理の最終場面で法曹三者による公判後整理手続を行う必要があるように思います。

                                                                               「花」                                                                          

 



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 当ブログ5月11日欄に掲載している6月17日(日。法曹会館。13時から)のシンポジウムにおける佐藤幸治先生(司法制度改革審議会会長・京大名誉教授)の記念講演の演題は、「司法改革の経緯、成果、そして課題」です。演題は今回のシンポ全体のテーマにもさせていただきますが、ご講演は司法制度改革全体を振り返るものでとても貴重です。法曹三者、司法修習生、法科大学院生、ファンクラブの方々ぜひご参加ください。特に裁判官の方々、お待ちしております。身近なところでお誘いあわせの上ご参加ください。



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