日本裁判官ネットワークブログ
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1 犬との散歩が犬の事情で中止になり,私の意思が弱いためか,もともと散歩が好きでないのか,とにかく私ひとりでの散歩は困難で,運動不足状態に陥った。これ幸いと散歩をさぼっていると,何だか気持ちが落ち着かず,その対策を練っている最中である。何せ古希が近くなっているのに,自然のままで髪は黒く(もっとも内部的には密かに手を打ってあるが),最近は友人たちから「異常」だと言われている私のことであるから,老化防止対策に手抜かりは許されず,運動不足を放置するわけにはいかない。
2 そこで先日の日曜日の早朝(と言っても午前7時過ぎのことであるが),ついにサイクリングに出かけた。かなり前には,犬との散歩が続いていたころでも,土,日の早朝サイクリングを続けたこともあったが,妻との仕事上の別居が解消した数年前から,妻との週1早朝テニス練習が始まり,その結果サイクリングも中止されていたのである。このところ妻の多忙のためテニス練習が中断状態なので,久しぶりにサイクリングに出かけたが,甚だ快適であり,長期間サイクリングのことを忘れていたことを後悔した。ひとりでの散歩は甚だおっくうであるが,不思議なことにサイクリングは全くおっくうではなく,甚だ快適であることを再確認することとなった。
3 家から約500メートルの所に岡山後楽園がある。その正門前を通り過ぎて蛇行する旭川の本流に沿ったその外周の緑の桜並木をくぐり抜けて,なお緑の深い散歩道を少し進み,「月見橋」という名の橋を渡ると岡山城に出る。外壁が黒塗りで烏城(うじょう)とも呼ばれる。昭和20年に空襲で焼け落ちて,鉄筋で再建された。その石垣の下の旭川との間の細道の樹木のトンネルをくぐり抜けると県庁の脇に出て,大通りを越える。
4 更に川岸を500メートルほど進むと,夏目漱石の句碑がある。漱石が胃潰瘍の手術後,生き延びることができた喜びを,伊豆の修善寺で詠んだとされる「生きて仰ぐ 空の高さよ 赤蜻蛉」という,私の好きな俳句が刻まれており,その上部に「我輩は猫である」の猫の小さな銅像が安置されている。広々とした空間の中を流れ遙かに旭川が蛇行しており,景色も良く,私の好きな場所である。漱石逗留の地の記念ということで立て札もあり,大学生であった漱石が夏休みに1か月ほど亡兄の妻の実家のある岡山市を訪れた明治25年に,偶々岡山市が大洪水に見舞われた話などが書かれている。もっとも数年前にあるテレビで,「修善寺の大患」の後で,肉好きだった漱石がカツドンを食べて死んだと放送していた記憶であるが,真相の調査未了で,宿題のままとなっている。
5 そこからの帰路は 対岸の160本余の桜並木の大木の下の舗装された約2キロの細道を,ビュンビュンと思い切り高速ですっ飛ばす。後楽園の深い緑と岡山城を左手の対岸方向に眺めながら,緑の森と広い空と清流に囲まれた視野の中にゆるやかに湾曲した小道で,土手の中段にあり,散歩する人も余り多くない。
6 すぐ近くにこんなにも快適なサイクリングコースがあることをすっかり忘れていた。久しぶりにコースを走行して一種の感動さえ覚えた。土,日の週1回ではもったいない。犬の散歩の代わりであるし,所要時間も同じ30分である。出勤の準備は前夜の就寝前に済ませて,雨の日以外は「毎朝サイクリング」に挑戦してみたい。朝6時起床,6時半から30分でというのはどうだろう。これは名案だ。デジカメを携帯して,事務所に飾る写真を増やすことにしてみよう。キッと大幅減量もできるに違いない。(ムサシ)



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