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東京地裁の第1回裁判員裁判が終わりました。
予想されたこととはいえ,マスコミの過熱ぶりはあきれるほどで,裁判員の服装から目線まで報道するのにはびっくりするとともに,裁判員の方が気の毒になりました。

もっとも,刑事裁判の結論ではなく,その過程にこれほどまでに関心が集まるということはこれまでにないことで,裁判員裁判制度の特色をあらわしているともいえます。

供述調書も使われたようですが,あくまで脇役で公判廷でのやりとりが中心であったからこそ,裁判員も傍聴者も身を乗り出して聞いたのだと思います。

呼び出しを受けた裁判員候補者は,賛成反対を問わずほとんど出席し,抽選に当たった裁判員の方が緊張の中,懸命に的確な質問をしている姿をみると,日本のこれまでの経済発展をささえた日本人のきまじめさを痛感しました。

懲役15年が重いのではと心配する実務家が多いようですが,私は必ずしもそう思いません。判決要旨を読むと,犯行後の態様がひどく一般の人の反発を買うのもやむを得ない事例だと感じました。

ただ,判決理由でもう少し弁護側の主張を排斥した理由を記載して欲しかったこととある補充裁判員の方が述懐していましたように,弁護側の求刑をした方が量刑の議論が活発化してよかったのではという感想も持ちました。

                   さいたま地裁も注視する「花ジュニア」



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