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1 全米オープンテニスでは,日本の錦織圭が世界32位を相手に1回戦を,世界100位に2回戦を,世界4位に3回戦を勝利し,ベスト16に進出した。実に71年振りの快挙だそうである。残念ながら4回戦は世界17位にストレートで敗れ,8強には入れなかったが,この間わが国のテニスファンはもとより,テニスに関心のない人をも興奮させたに違いない。
2 彼は確か今年2月に世界12位を破ってツアー初優勝して鮮烈なデビューをした。今回世界4位に勝利しているし,ウインブルドンの直前の6月の大会で,当時世界2位であり,その後世界1位になったあのナダルから,破れはしたものの1セットを取っている。ただならぬ若者であることは間違いない。彼は今18歳であり,今後の目覚ましい活躍を期待してよいだろう。来年までにどんなに成長するか楽しみである。
3 彼はまずサーブを強化する必要がある。破れた4回戦の相手は19歳で,彼より1才歳上に過ぎないが,既に世界17位とのことである。敗因はサーブの差のようであった。両者ともストロークは正確であるが,それでもやや錦織が押され気味であった。これもサーブに原因があるという解説である。テニスでは一般にサーブする者がそのゲームをキープするとされている。しかし彼が敗れたゲームでは,彼のサーブで相手の体勢を崩せず,対等の打ち合いになり,相手のサーブが速いため,相手サーブのゲームでは彼の体勢が崩れて,その後のストロークで押され気味になったというのである。それ以前の試合ではサーブをキープしているので,この日は調子がよくなかったのかも知れない。この敗戦の中に彼が成長し,飛躍してゆくための貴重な教訓が多く含まれているに違いない。
4 また世界1位のナダルなどを見ていると,どうあってもミスしないようなしぶとさを感じるが,彼の場合には案外アッサリとミスをする。ただ華麗で意表をつくショットには目を見張らせるものがあり,ジャンプしてストロークするので「エアー圭」というニックネームがあるそうである。おそらく天賦の才能を持って生まれた幸運児なのであろう。
 彼が敗れた相手も,その後イギリスの第6シードの選手に敗れている。その試合を見なかったのは残念であるが,世界は広いということであろう。
5 どのような分野の人であれ,誰か1人の日本人が活躍することで,我々の気持ちが明るくなったり,嬉しくなったりするから不思議である。更に言えば,その影響を受けて自分ももっと仕事や人生を頑張れないかなどとも考えたりする。もっともその気持ちは一時的なもので案外続くことは少ない。でも他人の快挙を人ごととして済ますのではなく,敏感に反応することは悪いことではないだろう。
 私もささやかながらテニスを楽しむ人生を歩んでいるし,妻も近く地元の法曹テニス大会にデビューする。そうであれば,今回の鮮烈な出来事が私たち夫婦のテニス人生に何らかの意味を持つようなことがあってもよいのではないかと思うのである。(ムサシ)


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