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日本裁判官ネットワークブログ

日本裁判官ネットワークのブログです。
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「荒唐無稽」は 県警依頼 緊急避難の 覚せい剤

2012年12月19日 | 詠み人知らず
昨日の東京高裁判決を都々逸に。
神奈川県警の警察官から依頼され、暴力団幹部から覚せい剤の情報を聞き出したものの、頭に拳銃を突き付けられ、覚せい剤の注射を強要された。
このような被告人の弁明を一審の横浜地裁は「荒唐無稽」と一蹴していたが、控訴審は採用し、緊急避難を適用して逆転無罪判決。
極めて珍しいケースだが、信じられないような話が特定の府県警に集中して目立つ印象がしてならない。

もしや「逆転 無罪」と知らず 母は来ました 今日も来た

2012年12月14日 | 詠み人知らず
警察・検察には猛省してもらわなければならないが、裁判員制度の効果だろうか、死刑求刑事件での無罪判決がそれほど珍しくはなくなった。
それにしても、遺族もまた冤罪事件の被害者であることを痛感させられる。
面子にこだわらず再捜査を尽くしてほしいものだ。

石は他山か? 防じんマスク 国は尽くせよ 明日ベスト

2012年12月13日 | 詠み人知らず
5日の東京地裁・アスベスト(石綿)判決を都々逸に。
先行した横浜地裁判決とは異なり、国の責任を認めた。
屋内の建設作業員について、防じんマスク着用を罰則付きで義務付けなかった点を問題にしたもの。
これを教訓にして、今後は労働者を守るため、早期の規制権限行使を期待したい。

信用金庫に 「信じとけー」の シンジケートは ローン外!

2012年11月28日 | 詠み人知らず
昨日のシンジケートローン最高裁判決を都々逸に。
アレンジャー(上告人)の参加金融機関(被上告人)に対する情報提供義務違反につき、信義則に反した論外な対応として、損害賠償責任を認めた。

とはいえ、最高裁のホームページでは企業名も明示されないため、今日の新聞記事で初めて、上告人が十六銀行、被上告人が三重銀行・岐阜信用金庫・豊田信用金庫だと分かった。

個人名はともかく、こうした問題の企業名まで匿名にするのは、それこそ判例の情報提供の在り方としていかがなものだろうか。

拾う神あり 無実の叫び 誤判だ! 「神様、やってない」

2012年11月08日 | 詠み人知らず
7日の東京高裁「東電OL殺人事件」再審無罪判決から。
12年前に逆転有罪判決を宣告された同じ東京高裁の法廷でのゴビンダさんの叫びが、ようやく通じた。
客野さんを初めとする支援者のご苦労も並大抵ではなかったと思うが、見捨てない日本人がいたことが救いだ。
無罪推定原則を厳格に守るべきことが、大きな教訓として銘記されなければならない。

「違憲状態」 全員一致 次は「無効」と 「参」議院

2012年10月27日 | 詠み人知らず
今月17日の参議院「一票の格差」訴訟・最高裁大法廷判決から。
今日の朝日朝刊もオピニオン「ものを言い始めた最高裁」として取り上げています。
注目は、少なくとも「違憲状態」にある点については全員一致だったこと、そして今回も違憲判決をすべきだと反対意見を述べた3人の裁判官(いずれも弁護士出身)が、次回は「選挙無効判決」をすべきと明言して、その方法まで論及していることでしょうか。

定期借家は 別書面でと 書いてあるから 当たり前

2012年09月13日 | 詠み人知らず
今日の最高裁判決を都々逸に。
いわゆる定期借家については、契約書とは別に賃貸人があらかじめ説明書を交付しなければならないというのが、借地借家法の規定だ。
最高裁は、契約書の案文をファックスで送っていただけでは不可とした。
至極真っ当な判断だと思うのだが、一・二審とも許容していたので、最高裁は破棄自判。
「当たり前体操」の歌が聞こえてくる気がした。

「善か悪か」を 問うのであれば 「前科証拠」は 使えない

2012年09月07日 | 詠み人知らず
今日の最高裁判決を都々逸に。
「前科証拠によって証明しようとする事実について、実証的根拠の乏しい人格評価によって誤った事実認定に至るおそれがないと認められるときに初めて証拠とすることが許されると解するべきである。」
小法廷判決ですが、珍しく竹崎長官が裁判長を務めています。合議体に検察官出身者が入っておらず、4人の裁判官全員一致で東京高裁判決を破棄差戻し。
全文は最高裁のホームページで読めます。

発達障害 「求刑超え」で 「再犯のおそれ」 あす減るかぁ?

2012年08月04日 | 詠み人知らず
7月30日の大阪地裁判決から。
姉に対する殺人罪で懲役16年を求刑された発達障害(アスペルガー症候群)の被告人に、「再犯のおそれ」等を理由に懲役20年の判決。
今日の朝日新聞社説「求刑超え判決-障害への偏見が過ぎる」では「裁判員の判断は重いが、前提を誤った判決は控訴審で是正してもらいたい。」とまで批判されている。今日の東京新聞社説「大阪の殺人判決 障害に無理解過ぎる」も同旨。
裁判員裁判の判決がこれほど厳しく批判されたのは、初めてではないだろうか。