先住民族関連ニュース

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<ウポポイ オルシペ>40 「チプ」のある風景 交易支え社会に変化

2022-05-26 | アイヌ民族関連
北海道新聞05/26 05:00

ポロト湖で「チプ」に乗る筆者
 ウポポイ(民族共生象徴空間)の国立民族共生公園に隣り合うポロト湖畔では、アイヌの舟について学ぶことのできるプログラム「丸木舟実演・解説」を行っています。
 丸木舟のことをアイヌ語で「チプ」といいます。丸木舟は石器時代にはすでに作られており、昭和の初めごろまで使われてきた息の長い民具の一つです。道路や橋のない時代は、河川を利用した重要な交通や運搬の手段でした。湖沼では水生植物の採取、河川ではサケ・マスの漁に使用するなど用途は多岐にわたります。
 また、アイヌは交易の民ともいわれるほど、交易が盛んな民族としても知られています。外洋へ出るためには、丸木舟の舷側に板をとじ付けた「イタオマチプ」という舟が利用されてきました。
 交易は互いの社会にいろいろな変化をもたらします。例えば、和人社会からはガラス玉、漆器類、鉄製品などがもたらされました。一方、アイヌ社会からは昆布や干鮭(ほしざけ)、毛皮、細工物のほか、アイヌの労働によって生産された魚の〆粕(しめかす)は良質な肥料として近畿地方の綿花生産を増大させ、それによって普及した木綿がアイヌ社会に木綿衣を普及させたように、交易は新たな文化を生み出しました。それを支えたのも舟です。
 日常的に見ることが無くなった丸木舟ですが、現在でも丸木舟の製作技術や関連儀礼が各地で伝えられており、ここウポポイでも製作から乗り方、関連儀礼について伝承を行っています。9月ごろまでは丸木舟に乗っているスタッフの姿を見ることができますので、「チプ」とともに暮らしていた景色を少しでも感じていただけたら幸いです。(文 山道ムカラ=象徴空間運営本部・工房担当)
※「チプ」のプ、「イタオマチプ」のプ、山道ムカラさんのラは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/685400

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<二風谷アイヌクラフトの挑戦 平取>上 伝統の文様で傘、万年筆

2022-05-26 | アイヌ民族関連
北海道新聞05/25 09:38

二風谷アイヌクラフトプロジェクトで開発されたボディーバッグや傘、万年筆などを1カ月間、限定販売した東京・渋谷の「イコーランド シブヤ」の店頭=2月(ノーザンクロス提供)
 今年2月、東京・渋谷の昼下がり、商業ビル内の衣類・雑貨店「イコーランド シブヤ」では、20、30代の若者らが商品を手に取って楽しげに話していた。「デザインが細かくてすごいね」「見たことある柄だな」。そこにはアイヌ文様がデザインされた万年筆や折りたたみ傘が並んでいた。
■「現代」と融合
 商品は、アイヌ伝統工芸が伝わる日高管内平取町二風谷の工芸家と、公募した東京などのデザイナーらがタッグを組み開発。東京で1カ月間、限定販売した。「伝統と現代デザインの融合」を目指す「二風谷アイヌクラフトプロジェクト」の成果だ。同町が国のアイヌ政策推進交付金を活用し2020年10月に開始。アイヌ文化に縁遠い人にも工芸の魅力に触れてもらい販路を拡大するのが狙いだ。
 事業の総合デザインディレクターを世界的デザイナーのコシノジュンコさんが務め、20年度は工芸家5人とデザイナーら4人が組んで法被や靴べらなど4点を開発。21年度は別のデザイナーらと組み、ベルトやつぼ押しなど5点を作った。
 「事業はアイヌ工芸を守る一つの手段」と語るのは二風谷民芸組合代表理事で木彫作家の貝沢守さん(57)。担い手が減る中、アイヌ工芸を次世代につなげる新たな挑戦だと期待する。
■購入層拡大へ
 1960~70年代の北海道ブーム。二風谷の国道沿いには工芸品店が今の6倍超の20店も並び、工芸家は4倍近い約40人。観光バスが何台も止まった。貝沢さんは、木彫作家だった亡き父が「若い弟子を何人も雇って工芸品を作らせ、腕を磨かせていた」と振り返る。
 しかし、ブーム衰退で店や職人は徐々に減り、担い手不足と販路拡大が重い課題に。当時、副町長だった遠藤桂一町長が克服策を探っていた5年前、国土交通省の観光担当者に「アイヌ工芸盛り上げのため有力者に協力してもらえないか」と相談すると、予期せぬ大物の名が挙がった。たまたまツテがあるというコシノさん。同町は好機を生かし、助言を受け現代デザインを取り入れる同事業に着手した。
 貝沢さんは「若手が育つ場になり、新たな商品が購入者の幅を広げる」と期待。二風谷でアットゥシ(樹皮の布)織りに励む柴田幸宏さん(33)は「コラボにより自分にはないアイデアが出てオシャレな商品が生まれた」と刺激を受けた。
 誕生した9商品はオンラインショップなどで、計約140点が売れた。「母親に贈りたい」と万年筆を買う人や「デザインがすてき」と傘を自分用に買う人がいた。同事業が着実な一歩を踏み出すには、伝統に今を吹き込むデザイナーらの熱い思いも不可欠だった。(静内支局の杉崎萌が担当し、3回連載します)
◆「アットゥシ」のシは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/685050

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映画「Ainu(アイヌ)ひと」を通じて語学の大切さを知る

2022-05-26 | アイヌ民族関連
ワールドヴォイス2022/05/25

©Naomi Mizoguchi
映画「Ainu(アイヌ)ひと」の監督、溝口尚美さんとは、2013年にワオラニ民族を救えという取材させていただいてから、実際にニューヨークで数回お会いしたことがある。しっかり映像としての記録をとって、世界の人へ伝えよう、残していこうというジャーナリスト魂にパワーを感じた。
今回、シカゴ日本映画コレクティブで上映されたのは、実際にアイヌの人々へ溝口監督が取材したドキュメンタリー作品。映画「Ainu」は、これまでも世界各国で様々な映画祭に出品されている。
ドキュメンタリー映画「Ainu | ひと」予告編
https://www.youtube.com/watch?v=JZ1-kXeT9Ow
一番心に響いたのは、子供の頃から差別を受けて育ってきたアイヌの男性が放った言葉で、「和人を恨んでいない」というところ。アイヌの人々が使っていた言語を消滅させないために、アイヌの言語を学ぶ人たちの努力する姿がまばゆい。
アイヌの言語を学ぶという観点から、ニューヨークの大学で言語学を専門として教壇にたつスパーベック美恵子兼任教授にも映画「Ainu」を視聴後、コメントをいただいた。
「素晴らしかったです。アイヌの方々が差別されて、土地を追いやられ、大変な生活をして来た過去があったのに、『和人への恨み節ではない。』と言い、さらに感謝まで口にするというのは並大抵の事では出来ません。
日本語のクラスの第一日目は イントロですが、来学期からはその日にアイヌの方々について少しでもこちらの学生に伝えていくのが大事だと思いました。アイヌ語及び文化が後世にも継承されて行き、話者がなくなることのない様に祈ります。
アイヌの言語が絶滅の危機にあると言うことをアメリカで日本語を勉強してる学生に少しでも知っておいてもらう事、つまり日本に日本語だけではなく、アイヌの言語もあるのだという事を伝えるのは大事だと思います。
これまでに言語学のクラスでは、アイヌ語について少し扱ったことがあります。一つはMorphology(※1 形態論)のトピックのところで、アイヌ語はPolysynthetic language (※2 抱合語)で、アメリカンインディアンの諸言語と同じタイプである事です。
もう一つは、歴史で、例えば英語はインドヨーロッパ語族に属するなどといった言語の関連性についてのユニットがあるのですが、アイヌ語はどのlanguage family(※3 語族)にも属しないということを学びます。こちらのコースのシラバス(講義などの内容や進め方を示す計画書)にも掲げておりますが、学習ゴールは、言語の多様性を学び、偏見をなくすことを目標にしています。」
どんな小さな世界でも差別がなくならない人間社会。溝口監督が映画を通じて、スパーベック美恵子兼任教授が、生徒さんたちに、言語学の側面から、なくならない差別の実情を後世の人たちへ知らせる。
若い世代の人たちが、差別される側の悲しみや辛さを知らないままで過ごすのと、知っている上で過ごすのは、違うからこそ、争いのない世界は必ずやってくるのだと信じたい。
※1 言語学における形態論(けいたいろん)とは、ヒトの言語の、語(単語)を構成する仕組みのこと。また、それを研究する言語学の一分野。
※2 抱合語(ほうごうご、包合語とも書く)は言語類型論における言語の分類の1つ。単語、特に動詞に他の多数の意味的または文法的な単位が複合され、文に相当する意味を表現しうるような言語を指す。これに該当する言語はシベリアからアメリカ大陸にかけて特に多く分布する。
※3 語族(ごぞく)とは、比較言語学において、ある言語(祖語)とそこから派生した全ての言語を含む単系統群のうち、他の単系統群に包含されることが認められていないものを指す。
<引用 ウィキペディア>
【プロフィール】
溝口尚美(みぞぐちなおみ)
日本での映像制作会社勤務を経て、1995年にフリーランスとなり、テレビ用ドキュメンタリー、プロモーションビデオ、短編文化映画など様々な作品を制作。
2004年、コミュニティ・メディアを学ぶためにニューヨークに渡り、全米最大かつ最古のコミュニティ・メディア組織のひとつであるダウンタウン・コミュニティ・テレビジョンセンターに勤務。2008年、NPO法人Cinemingaを設立し、コロンビア、エクアドル、ネパールの先住民に映画制作に必要な機材や技術を提供する活動を開始。その結果、作品はカナダ、コロンビア、ネパール、日本、アメリカの映画祭で上映された。
2014年にCinemingaを退社後、溝口はGARA FILMSを設立。メインストリーム・メディア向けの番組や、地域社会の問題をテーマにしたインフォーカス映画など、幅広い視野で映画制作を続けている。これまでのキャリアにおいて、溝口は100以上のプロジェクトを監督し、300以上のプロジェクトを編集。現在、ニューヨーク在住。
スパーベック美恵子(スパーベックみえこ)
神奈川県出身。1995年にペンシルバニア州フィラデルフィアのテンプル大学を卒業後、日本に戻り、英会話スクールで英会話教師として勤務。その後、アメリカ人との結婚を機に来米。ミネソタ州ミネアポリスの語学学校で日本語教師となり、多くの客室乗務員に日本語を教える。2001年ニューヨーク市立大学大学院言語学部に入学。10年に同校を卒業後、同年9月アデルファイ大学の言語学兼任教授に就任。13年からジョンジェイ大学で日本語を教える。現在2校を兼任。
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/bailey/2022/05/post-32.php

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地域密着型プロジェクトを通して考える、エコロジカルな写真の未来Vol.2 ヤン・グロス、アルギーネ・エスカンドン

2022-05-26 | 先住民族関連
IMA 25 May 2022
持続可能な世界を目指す現代社会において、写真には何ができるのだろうか? IMA Vol.37「自然と環境をめぐる写真家の声」の関連記事第一弾では、現地コミュニティに根差して環境問題と向き合う写真家たちによる、イラン、ペルー、ガーナ、イギリスの4つのプロジェクトを紹介する。vol.2は、写真家のヤン・グロスとアルギーネ・エスカンドンがペルーのアマゾンで取り組んだ「Aya」。現地の体験をさらにリアルに伝えるため、プリント制作のプロセスに植物を取り入れて実験を重ねた彼らは、アマゾンの熱帯雨林とどのように向き合ったのだろうか?
原住民のコミュニティを表現するため、
熱帯雨林の植物で感光するプリント
ケチュア語で魂、死、霊を意味する「Aya」と題した本作は、ペルーのアマゾンに広がる植物やシャーマニックな体験を伝えながら、原住民のコミュニティを描きだしている。ペルーのアマゾンで失踪したとされている19世紀のドイツ人写真家、チャールズ・クレールの痕跡をたどり、この密林にやってきた写真家のヤン・グロスとアルギーネ・エスカンドン。アマゾンで制作をした初めての写真家であったクレールが、「記録」という名目で行った撮影を、侵略を正当化するためのように感じた二人は、アマゾンに対する偏見を改めるために本作のストーリーを編みだした。当初、先住民族と生活を共にしながら、森を理解するために自生する植物を食べ、儀式に参加し、写真を撮っていた。しかし、それだけでは、その体験を写真に反映させるには不十分だと感じた彼らは、ジャングルを忠実に写すために、コミュニティで重要な役割を果たしている植物をプリントの制作プロセスに用いることにした。

ジャングルの中で、現地に生息する感光性の高い植物を探しだし、試行錯誤しながらプリントを行った。
紙やシルクスクリーン、写真製版、鉄板写真などのさまざま技法を植物を用いて試した二人は、過去に木の葉にイメージを転写したプリントを見たことがあったため、葉っぱから顔料を抽出し、感光乳剤と同じような効果を生む液体を作ることで何が起きるかを実験した。パパイア、クズウコン、ヒロハフウリンホオズキなどの感光性の高い植物を探し、アマゾンで万能薬といわれている植物の葉から色素を抽出し、感光乳剤のようなものを調合して、プリントを試みた。
歴史的にはヨーロッパ人が近代科学のパイオニアといわれているが、「Photography」の単語を初めて使ったのはブラジルの発明家、エルクレス・フロランスであると、グロスは語る。フロランスは、ダゲールより5年も前に、ブラジルでダゲレオタイプに近い技法を編みだしていたため、原住民が植物の感光性を早くから知っていた可能性は十分にあるという。
植物は地球上の生物資源の99%を占めているが、いまだに軽視されがちだと考えるグロスは、人類学者であるエドゥアルド・コーンの「私たちは唯一の存在ではない」という言葉を引用し、人の世界を離れた森の存在を振り返ることは、人類が自身に与えた特権意識を問い直すことを意味すると話す。「Aya」は現地の素材を取り込むことで、現実に固定化されたイメージの再生成という目的を果たしている。実験の積み重ねで生みだされたこのプロセスは、原住民に対するステロタイプのイメージと環境問題の双方を写真それ自体に織り込んでいる。
IMA 2022 Spring/Summer Vol.37より転載
ヤン・グロス|Yann Gross
1981年、スイス生まれ。2010年、イエール国際モード&写真フェスティバルにてグランプリ、2015年、アルル国際写真フェスティバルにてLUMA Rencontres Dummy Awardを受賞。写真集に『The Jungle Book』(Aperture、Actes Sud、Editorial RM、2016年)、『Aya』(Editorial RM、2019年)、などがある。
アルギーネ・エスカンドン|Arguiñe Escandón
1979年、スペイン生まれ。大学院でドキュメンタリー写真とビデオを学ぶ。フィクションと現実の間にある、神秘的な雰囲気に包まれたファンタジーの世界を写真の中に創り出す作品を手がける。2020年には、ヤン・グロスと共に、Prix Elysée 2020-22にノミネートされた。
https://imaonline.jp/articles/archive/20220525yann-gross_arguine-escandon/#page-1

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『SCHOOL OF LOCK!』 ×「True Colors Festival 超ダイバーシティ芸術祭」“超ダイバーシティ芸術祭”で「SOCIAL LOCKS! 課外授業」を実施!

2022-05-26 | 先住民族関連
JIJI.com2022年5月26日(木)
[株式会社エフエム愛知]
第一弾 は5月28日(土)名古屋で開催!
FM AICHI(JFN系38局)で放送中の10代向け番組『SCHOOL OF LOCK!』(毎週月曜日~金曜日22:00~23:55)では、毎週月曜日にダイバーシティや“違い”を知るためのコーナー『SOCIAL LOCKS!』を放送しています。
この度、パフォーミングアーツを通じて、障害・性・世代・言語・国籍など、個性豊かなアーティストと観客が一緒に楽しむイベント、「True Colors Festival超ダイバーシティ芸術祭」内でパーソナリティのこもり校長とぺえ教頭とスペシャルゲストが全国各地を巡り、「SOCIAL LOCKS! 課外授業」を実施します。
第一弾は、5月28日(土)名古屋・アスナル金山「明日なる!広場」で開催されます。     
「SOCIAL LOCKS! 課外授業」は、12時30分頃から、メインパーソナリティである、こもり校長とぺえ教頭ともに、名古屋限定のスペシャルゲストとして、名古屋出身のSKE48の須田亜香里さん、交通事故による高次脳機能障害とともに生きる、オーストラリアの先住民族アボリジニの伝統楽器「ディジュリドゥ」奏者・GOMAさんがステージに登壇します。司会は、FM AICHIパーソナリティの黒江美咲。
【「True Colors CARAVAN in Nagoya」概要】
◇開催日:2022年5月28日(土)11:00~18:00
◇会場:アスナル金山「明日なる!広場」 ※入場・参加無料です。
◇主な出演者
<パフォーマンスステージ>
・「True Colors CARAVAN」CARAVAN Performers
・障害児(者)ダンスサークル「JOY☆UP」
<トークステージ「SOCIAL LOCKS!」課外授業>
・「SCHOOL OF LOCK!」こもり校長(小森隼/GENERATIONS from EXILE TRIBE)、ぺえ教頭(ぺえ)
・須田亜香里(SKE48)
・GOMA(ディジュリドゥ奏者、画家)
・司会/黒江美咲(FM AICHIパーソナリティ)
◇主催:日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
◇助成:日本財団
◇公式サイト:https://truecolorsfestival.com/jp/program/caravan/
企業プレスリリース詳細へ (2022/05/25-18:47)
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000286.000036704&g=prt

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野外イベント「みんなちがってみんないい」が最終回 30年の歴史に幕

2022-05-26 | アイヌ民族関連
みんなの経済新聞5/25(水) 7:05
多文化交流や環境共生がテーマの野外イベント「みんなちがってみんないい」の最終回が5月29日、八王子市役所前の浅川河川敷で行われる。(八王子経済新聞)
 国際交流や多文化との共生、不便さを楽しむことなどをテーマに据えて、1993(平成5)年から年1回のペースで行われている同イベント。2020年と昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止となったため、今回が2年ぶりの開催となる。通算28回目。
 当日は朝鮮能楽の楽団「誕古団(テゴダン)」やアイヌ民族の歌や踊りを披露する「AYNU RUTOMTE(アイヌルトムテ)」によるパフォーマンスに加え、大道芸の披露や福島第一原発事故の被災地の風景を撮り続けてきた写真家・中筋純さんによる「福島のその後と2014ウクライナ・キーウ(キーフ)騒乱の写真展」、磯沼ミルクファーム(小比企町)による羊の毛刈り体験などの催しを用意。事前募集した参加者によるオープンマイクイベントも行う。
 八王子市役所近くの喫茶店「馬天使」(中野上町4)店主で、イベントの実行委員長を務める保高泰一さんは「外国人や障がい者も含めていろんなハンデを持った人がこの社会では生きている。そういう人たちが普通に集まりお祭りをしようと始めた」と振り返る。イベントのタイトルは詩人・金子みすゞの作品「私と小鳥と鈴と」の一節から来ているが、30年前と比べて、「『みんなちがってみんないい』という言葉がこれだけ定着するとは思わなかった。世の中はすごく変わった」と保高さん。 
 今回を最終回と位置付け、約30年の歴史に幕を閉じる。保高さんは「私も70歳を過ぎたし、スタッフもみんなそう。このままいったらずっとやらなければいけなくなる。誰かが言い出さないとやめないから、私が言い出しっぺになった」と話す。「妙な伝統などはいらない。守っちゃだめ。やりたい人は残ればいいし、若い人があのお祭りを面白いと思ってくれたなら新しい企画でやってくれたら。その方が面白い。やめればまた何か生まれる。それでいい」とも。
 開催時間は10時30分~16時30分。入場無料。雨天決行。
https://news.yahoo.co.jp/articles/42f3d793d4d82373a4da9d151af1cf7da201f8c3

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