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帯三条、放送コンで十勝初の全国切符

2011-12-05 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞 2011年12月03日 14時58分

 帯広三条高校放送局(遠藤奈菜局長、13人)が、小樽市で開かれた高文連の第34回放送コンテスト全道大会のラジオ番組部門で最優秀賞を獲得し、来年8月に富山県で開かれる全国大会への切符を手にした。十勝勢が全道のトップに立つのは、初めての快挙となる。
 受賞作品は、池田文さんと澤田沙季さんが制作した「そして、カムイレンカイネ(神からの恵み)」(5分)。末期がんと闘いながら、アイヌ語で「アメージンググレース」を歌う、本別町出身の熊谷たみ子さん(59)=横浜市在住=を取り上げた。
 2人は、同局顧問の安藤佳寿哉教諭の紹介で、熊谷さんに7月に初めて会い、9月にも札幌の豊平川で行われたアイヌ民族の儀式に参加した熊谷さんを取材し、歌を収録した。番組では、熊谷さんが子供のころに受けた差別やアイヌであることを隠して上京した生い立ち、2009年に末期がんが分かり、一度は生きる希望を失ったが、黒人奴隷への懴悔(ざんげ)を歌った「アメージンググレース」に出合い、アイヌ語で歌うことを決意したいきさつを紹介。
 熊谷さんは「アメージンググレースのルーツとアイヌの歴史は案外似ている。カムイ(神)がちょっとあたしの側に降りてきて、もっと生きてやれることはあるんじゃないのと啓示を与えてくれた」と番組で語っている。ナレーションは1年の木幡麗絵さんが担当した。
 池田さんは「余命1年と聞いていたが、熊谷さんはエネルギッシュで魅力的な人だった。逆境を乗り越えて生きる強さを伝えたかった」、澤田さんは「差別などデリケートな問題を含めて取材に応じてくれた熊谷さんに心を打たれた」と話す。
 2人は1年生からコンビを組み、今年6月に開かれたNHK杯全道大会のラジオドキュメント部門でも最優秀賞を獲得した。全国大会へは、内容を改良し、取材風景の写真・映像と合わせた総合点で競う。熊谷さんも全国大会に行きたい希望を示しており、2人は「さらに質を高めたい」と張り切る。
 全国大会出場はこれまで札幌、函館勢が常連で、安藤教諭は「十勝から念願の出場を果たすことができた。局員一人ひとりが校内コンペなどで競い合い、みんなでレベルアップを図った成果」と話している。
 全道大会は11月17、18日に開かれ、延べ79校が出場。全国大会出場は各部門最優秀賞のみ。同部門の2位に帯広柏葉、ビデオメッセージ部門の4位に帯広三条、5位に帯広柏葉、6位に帯広緑陽、総合賞3位に帯広三条が入り、十勝勢が健闘した。
http://www.tokachi.co.jp/news/201112/20111203-0011149.php

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