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鉱物の部屋へのいざない

方鉛鉱

2013-01-16 13:15:16 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「方鉛鉱」です。

方鉛鉱はこれまでに何度か登場しましたが、タイトルとしては初めてです。

この前の日曜日の夜、私はNHKスペシャルのダイオウイカ番組は録画して、オンエアーでは日曜洋画劇場 「アバター」を見ました。「アバター」を見るのは何度目かですが、見始めるとどうしても最後まで見てしまいます。

「アバター」を見ていて気になったのがアンオブタニウムという鉱物標本がマイスナー効果で宙に浮いているシーンです。方鉛鉱と思われる鉱物が宙に浮きながら回っていました。それがもし方鉛鉱であったならば、比重が大きく重いはずで、うまく特撮している、と思いながら見ていました。

方鉛鉱は鉛を主成分とする硫化鉱物で、鉛の最も主要な鉱石鉱物です。鉛の含有比率が高い事から小さな標本でも重量感があります。その重量感と、等軸晶系らしい特徴的な割れ方、金属的な光沢、金属系の鉱物コレクターならずとも非常に魅力的な鉱物だと思います。

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Sweetwater mine,Reynold Co.,Missouri,U.S.A. 方鉛鉱(Galena)

これは一辺5~6cmのキューブ状の結晶が貫入双晶しています。黄鉄鉱のようなシャープさはないものの方鉛鉱にもこのようなものがあります。裏の方は階段状の構造が見られ、その一部にはレインボーが見えます。このレインボーは光の薄膜干渉に因るものです。この標本はサイズ、形、重量感、階段構造、レインボー、等、魅力満載の標本だと思います。

Dscf3099

石川県 小松市 金平 産 方鉛鉱(Galena)

こちらは先ほどの標本ほどの魅力はないものの、我々石川県人にとっては身近な方鉛鉱です。金平に行って落ちている岩石を割るとすぐにこれくらいの方鉛鉱なら見つかると思います。最近は金平では緑鉛鉱(紫色が特徴)はなかなか見つからなくなりましたが、このクラスの方鉛鉱なら比較的容易に探せます。

方鉛鉱の魅力はその結晶の幾何学的な美しさと共に金属的な光沢だと思います。割ったばかりの新鮮なものはキラキラしています。外国産の方鉛鉱のような立派な標本は少ないものの、近場に産地がある事を幸せに思います。




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