今日は「コランダム1」です。
コランダムは酸化アルミニウムの結晶です。微量のクロムが不純物として加わると赤くなってルビーと呼ばれ、微量のチタンや鉄が加わると青くなってサファイアと呼ばれます。
ミャンマー産 ルビー(Ruby)
これは特価品で出してあった中で売れ残ってしまったルビーの原石のひとつです。小さい赤い六角柱の結晶が愛らしくて好ましいと思いますが、結晶の一部が窪んでおり敬遠されてしまったのかも知れません。私的にはこの窪みが結晶成長の形跡を残しており貴重な標本のように思えてしまいます。このルビーの原石は長波ブラックライトで鮮やかな赤色に発光します。
これは薄い六角板状のルビーです。裏から強めのライトの光を当てると美しい色に発色します。長波のブラックライトでは美しいピンク色に発色します。光の違いで違う色が楽しめます。
マダガスカル 産 サファイア(Sapphire)
これは透明度が無いものの、長さ・太さ共に4cmほどもある六角柱の結晶です。色的に宝石にはなりませんが、サイズ的に魅力的な鉱物標本だと思います。
スリランカ 産 サファイア(Sapphire)
これは透明感のあるブルーのサファイアの原石です。長さは3cmあり、そこそこのサイズだと思います。
ルビーやサファイアの原石も人気のある鉱物標本です。開店当時はそこそこの数があったのですが、オープンして1年3ヵ月が経ってしまい、少しさみしくなってきました。そろそろ仕入れを強化しなくてはならないと思っています。
ところで、ルビーもサファイアも硬度が高く宝石になります。なぜか?緑柱石(アクアマリン、エメラルド等)やトパーズやガーネットなど、多くの宝石鉱物はアルミニウムの化合物です。
アルミニウムは地球の地殻上では1位酸素、2位ケイ素、に続く3番目に多い元素です。それはボーキサイトいうアルミナを主成分とする粘土鉱物の中にあり、アルミナの豊富な地層がプレート移動にともない地下深部に沈み込み、高温・高圧の変成作用を受け、アルミナが結晶してコランダムになったと考えられます。さらに、このコランダムが火山活動によって、地下深部から地表に運ばれたと考えられるのです。
コランダムの存在はダイナミックな地球の活動を物語っています。それは、まさしく地球が造った宝物なのだと思います。