ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

H・R・ギーガー エイリアン

2013-01-28 12:22:42 | 日記・エッセイ・コラム

昨日は面白いお客さんがいらっしゃいました。初めてのお客さんです。

そのお客さんは富山からいらっしゃった若い女性です。芸術系の大学生です。何が面白かったかと言うと彼女が背中に背負っていたリュックサックです。そのリュックサックはH・R・ギーガーのエイリアンを彷彿とする形をしておりました。その存在感は抜群でした。

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彼女は所謂「石ガール」です。愛石歴は1年半ほどらしく、ちょうど「石の華」の営業歴と一致しています。話をお聞きすると、最初は魚眼石から入り、沸石類がお好みとの事。水晶から入る人が多い中、独自の美意識をお持ちなのだと思いました。

私は彼女のリュックサックが非常に気になりました。H・R・ギーガーは「エイリアン」で有名な芸術家です。「エイリアン」は衝撃的な映画だったと思います。その独特な気持ち悪さは悪夢のような不思議な不快感があり、また同時にある種の美が共存しています。彼女のリュックサックにも同じようなグロテスクとゴシック的な美がありました。

私は店にあるH・R・ギーガー的な石を彼女に出して見せました。

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フランス産 白鉄鉱(Marcasite)

これは粘土質の母岩に埋もれている白鉄鉱です。それは金色の金属的な光沢があり、その形状は何かの骨格のようにも見えます。エイリアンの化石?というような印象があります。

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モロッコ産 三葉虫(Calymene) オルドビス紀

これは三葉虫の化石です。彼女の背負っていたリュックサックの写真はありませんが、この三葉虫の化石のような印象がありました。

これらの石を見た彼女の反応はあまりピンと来ていなかったようです。彼女は小一時間ほどお店を見て、最終的に二つの石を購入されました。

ひとつはやはりインド産の魚眼石です。その写真はありませんが、透明度の高い魚眼石の結晶で、絶妙な角度でクラックが入っており、プリズムのような質感で美しいレインボーが見えるものでした。

もうひとつはスペインのナバフン鉱山産の黄鉄鉱です。その黄鉄鉱の写真もありませんが、シャープな立方体がふたつ絶妙な咬みあい方をしており、その形状を好まれたようです。チョッと違いますが、それに雰囲気の似たものは次の写真の黄鉄鉱です。

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産地不明 黄鉄鉱(Pyrite)

ひとつの黄鉄鉱をもうひとつの黄鉄鉱が後ろから咬んでいるように見えます。

違う鉱物ですが、こんなものもあります。

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中国 湖北省 太治 産 水晶・魚眼石(Quartz/Apophylite)

これは水晶を魚眼石が後ろから取り巻いています。何とも言えないバランスです。

これらの石を見て、思わず、ある発売禁止になったAKBの写真集の事を想起しました。

私は言いにくいものの、その話をしてしまいました。すると彼女は「それはインターネットで見れます。」と教えてくれました。

彼女はふたつの石を買って帰られました。

昨日は面白い時間を過ごす事ができました。

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