今日は「苦灰石」です。
このブログでは「苦灰石」のタイトルは初めてですが、ブログ内キーワード検索をしてみると、一度だけ出て来ました。それは「霰石3」の時に富山の男性が球状苦灰石を購入された事を書いておりました。面白いと思いました。なぜかと言う、とその球状苦灰石は霰石の仮晶だからです。霰石の話題から苦灰石の話題に移ります。
これはその富山の男性が購入されたものと同じ球状苦灰石です。この形は霰石の姿を残しており霰石仮晶になっているドロマイトです。霰石のカルシウムの成分の一部がマグネシウムに置換して苦灰石になったものです。霰石の透明感は無くなっていますが、その形状は残っております。
これも苦灰石です。この標本は苦灰石として入手したというよりも、その形状の面白さから入手しました。
新潟県新発田市上赤谷飯豊鉱山 産 苦灰石(Dolomite)
これも苦灰石です。この標本も苦灰石として入手したというよりも、その結晶の雰囲気が気に入って入手しました。
私はどちらかというと鉱物種にこだわりはなく、主に結晶形態に魅かれて鉱物コレクションをしてきたような事もあり、集まってきた鉱物を分類整理して初めて、その鉱物種を再確認しているようなところがあります。
苦灰石はそれほど好きな鉱物という訳ではありません。それは大好きな方解石に似ているものというくらいの認識しかありませんでした。
ところが、苦灰石は、今、非常に気になる鉱物になりつつあります。
それはなぜかと言うと、それがマグネシウムを主成分とする鉱物だからです。マグネシウムは60種以上の鉱物に含まれていますが、苦灰石、マグネサイト、ブルーサイト、カンラン石の4種のみが工業的に利用されているという事実からです。
マグネシウムは今後、電池革命を起こす可能性のある元素です。先日のNHKの「サイエンスZERO」を見て、マグネシウム電池の実力と可能性を知りました。それはパワー10倍、環境にも良いという夢のような電池です。電池技術は次世代の技術革新の為の基本的なキーテクノロジーだと思います。現代文明の技術は電力エネルギーにおいて、そろそろ限界が見えてきていると思います。それは発電システムだけではなく、送電システムや電池の技術に於いても同様です。燃料電池としての水素も重要だと思いますが、マグネシウム電池の登場も次代に繋ぐ新しい技術として期待したいところです。そういう意味でマグネシウム鉱物への期待も高まります。
苦灰石はその一つです。私の中では苦灰石のイメージは赤丸急上昇しております。
マグネシウム鉱物、明日はマグネサイトです。