何年か前から通称ピンクアメシストとして流通しているアルゼンチン産のオレンジピンクの水晶のジオードがあります。ノジュールの中にローズカラーの水晶がつまっており、人気が高く、当店にも幾つか置いてあります。
それらの中の小さいものの晶洞の中を覗くと、菊花状紫水晶と同じようなフラワー水晶が張り付いたものがありました。
上の写真がそれです。
水晶の一部は晶洞の内壁に張り付くように横たわって成長しております。
比較的大きな晶洞内の水晶は内壁から立って成長しているものが多いように思えます。
それは大きなものの方が自由空間が広いので立って成長でき、小さいものの方は自由空間が狭いので、内壁に張り付くようになってしまった、という風にも考えられます。
そういう意味で、これも一種の成長干渉水晶と言えるかもしれません。
菊花状紫水晶も母岩にできた薄いクラックの中で成長した際に、その狭い割れ目の中で成長干渉されながら結晶成長した為に、そうなったのかもしれません。
それにしても、水晶の結晶成長も面白いものです。それが菊花状になるのもそれなりの理由があるはずです。
その理由が何なのかはわかりませんが、我々人間は、その結晶成長の結果を見て、菊花状になっていると勝手に愛でているだけなのです。