昨日のブログの最後の話題のCANDELS(キャンデルズ)は宇宙スケールと光速を使った宇宙そのものの過去に遡る極端な定点観測撮影映像だったのですが、このような定点観測撮影動画は古くは映像作家・萩原朔美のリンゴの腐敗していく様を撮った映像(1971年『TIME 時間の痕跡』)などや映画「コヤニスカッツィ」(1982年 アメリカ ゴッドフリー・レジオ監督)などが有名で、他にも多くの名作がつくられ、近年では「タイムラプス」として定着し、様々な面白い動画がつくられています。
「タイムラプス」の魅力は通常の時間の流れとは別次元の違った時間の流れが感じられるところにあり、タイムマシン的な疑似映像体験ができるところにあると思います。その時間の流れの速度も可変で、そこに空間移動も加わると、非常に心地良い映像体験ができる事もあります。最近はやりの空撮映像だけに限らず、星空や自然をそのように撮影した美しい環境映像なども高画質の画面で見る事は気持ちの良い事だと思います。
この「タイムラプス」で撮影した映像でどうしても見てみたいものがあります。それは鍾乳石の成長していくタイムラプス動画です。
鍾乳石はよく「1cm成長するのに約100年かかる」と言われる事があるのですが、実際にはその環境しだいで成長速度は大きく変化するであろう、と思われます。巨大な鍾乳石を見ると、それが成長するのにどのくらいの時間がかかったのか?と想像してしまうのですが、実際のところはわからず、ただそれを見るだけで悠久の時間の長さに驚くだけになっています。
いつか、そのような鍾乳石の「タイムラプス」映像を見てみたいものです。その成長過程の全貌を見ながら時間感覚を実感してみたいものです。
そういえば、鍾乳石に限らず、どんな石でも、それがどのくらいの時間をかけて出来て来たものなのか、正確に知る事は中々難しいものです。先日のポップコーンロックのように比較的短期間に人工的につくったものならその時間スケールは大体わかるものですが、例えば、天然の水晶の場合、大小様々なサイズのものがあり、それらがどの位の時間をかけてできたのか?を正確に知る事は難しい事です。特に、巨大な水晶の成長速度はどの位でどの位の時間がかかったのかは興味深いもののそれを知る事は中々難しいものです。
現在、「石の華」の店頭に置いてあるひとつの面白い紫水晶があります。今日の写真はこれです。
これはブラジルのAmetista do Sul産のアメシストなのですが、非常に奇妙な形をしております。それはまるでテーブルサンゴのようにも見えてしまいます。どうしてこのような形状になるのでしょうか?思うに巨大なアメシストドームの中で鍾乳洞内の石筍のように成長したのだろうと想像できます。上部のフラワーアメシストの部分は恐らくケイ酸分の多い水滴が長年かかり続けて出来て来たのだろうと想像できます。では、どの位の時間がかかったのだろうか?と考えるとそれは全くわかりません。それこそ、このように成長してきた過程を「タイムラプス」で見てみたいものだと思います。
このアメシストは当面非売品にして置きたいと思っておりますが、いつでも店に置いておきますので、いつでも見れます。こいつは正真正銘の「石の華」なので当面は「石の華」の看板としたいと思っております。