西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

パリの下水道

2005-11-25 | 地域居住学
帰りに良く『日経』夕刊を買う。色々考える素材も提供してくれる。50円は安いかもしれない。今日の「あすの話題」で大久保尚武さん(積水化学工業社長)が「ロスアンゼルスの下水道」を書いていて興味深い。積水がリニューアル工事を請け負っているようだ。非開削工法で、道路上から送り出す帯状のプラスティック板を、ロボットが自動的に「かんごう(つなぎあわせ)」してパイプにしていく、と言う。(中略)アメリカでは未だ「アセットマネジメント(インフラ資産の管理)」の考えがない、とのこと、一寸驚いた。オーストラリアが先進国のようだ。一度調べてみよう。最後に「目にふれない地下深くのインフラの優劣が、都市の価値を決める時代になってきたようだ。」と締めている。そうだな、と思う。これを読んでいて、初めて大都市で近代的下水道を造ったパリを思い出した。昔、小説『レ・ミゼラサブル(ああ無情)』でジャンバルジャンがパリの地下道を駆け回るのを読んで、どういう所を走っているのか想像も出来なかった。前にパリで下水道観光で入り口のある「アルマ橋」まで行ったが入れなかった。今度は是非行ってみたい。(写真はパリの地下下水道・・人の走れる管理道路がある)

住宅計画Ⅱ講義要約6-「物言わぬ」赤ん坊や高齢者の要求把握

2005-11-25 | 色々な仮説や疑問
地域の施設を計画する場合、利用者の要求を把握しないといけないが、言葉を通じて把握できるのは、小学校高学年以上である。方法は色々だが、不特定多数には予備聞き取り等に基づくアンケート調査がある。特定多数なら、聞き取り、座談等がある。座談では建前しか聞き取れない場合があるから本音を聞く工夫が必要。
ところで、赤ん坊や「認知症」高齢者の場合は、言葉では無理である。ではどうしたら良いか。じっと観察するしかないのではないか。私は、孫が赤ん坊の時に、赤ん坊は生活空間を絶えず拡張しようとしている(成長の一面である!)、という仮説を持って、観察した経験を話した。生活空間を拡張しようとしているので、ハイハイしていても外が見たいのではないか。そうだとすると、部屋の周囲が壁で、外を見ようとする視線が壁で撥ね返される空間は拙くて、低い窓ガラスやベランダを通して外界と繋がっていなければならないのでは(窓ガラスの場合、安全性との兼ね合いが重要だが)・・と話した。うなずいている学生もいた。一度、赤ん坊の研究者に聞いてみよう。(写真は、ハイハイ、窓に向かっているのは殆どない。親が撮るので親を見ているのが殆どだ。)

ご近所の底力ーついのすみか 妙案20より

2005-11-25 | 地域居住学
昨夕のNHKTV「難問解決 ご近所の底力」で「ついのすみか 妙案20大集合」というのを見た。三つの部分に分かれており、(1)安くて安心の住まい(住まい自身)、(2)気の合う仲間と暮らす(共同住宅)そして(3)町全体を終のすみかに、というものだ。ここでは第二、第三について、面白いと思ったことをメモしておく。第二では神奈川県伊勢原市の「多世代で住む共同住宅」で「おばあさん」4人と若い女子大生の共同生活、おばあさんも女子大生も喜んでいる。女子大生は「家の人がこういう共同住宅を探してきた」と言っているのも面白かった。こういうのを住居学と福祉学で共同開発しても良いと思った。第三では、昔、千里ニュータウンで黄色い旗運動(元気だとバルコニーに黄色い旗を出す)があったが、あれだと年寄りが何処にいるかわかってしまい「駄目」となった。高知市丸池町の例は、個々のお年寄りの毎日の「生活の癖」を町内全体で確認して毎日さりげなくチェックするという方法、例えば「癖」として毎朝に玄関の雨戸を開ける、午前中に自転車を乗り回す等々、これだとその町内の人しか分らないサインだ。「なるほど」と思った。(写真は高齢者と女子大生の共同の住まい)