埼玉のおじいちゃん社長不動産コンサル奮闘記

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女子大生風俗嬢を読んで

2015-10-25 12:36:35 | Weblog

今月の新聞広告に「女子大生風俗嬢」という本の広告が出ていました、あまりにもショッキングなタイトルだったので、赤羽駅の売店で買って読んでみました。著者中村淳彦氏が大阪や沖縄の短大生や大学生を取材して歩き、最後に奨学金やブラックバイト問題を追及している中京大学の・大内祐和教授に会い対談するところで終わっています。

 それには、90年後半に年功序列型の雇用制度が壊れて、あらゆる企業でリストラの嵐が吹き荒れて、98年から顕著に日本全体で世帯収入の下落が始まりました。それと比例するように大学の学費を自分で稼ぐ学生が激増した。親からの学生への給付はだんだんと減って,奨学金を利用しなければとても進学させられないという状況になったのです。―中略―

それと短大が四大へと移行し四年制大学が増えたことも大学生の経済的貧困の背景に有ったと指摘されています。―中略―ヨロッパ諸国の多くの国立大学やアメリカの州立大学は大学生の教育に、国が公費を投入しているが、日本の高等教育予算は、対GDP比で約0.5%とOECD諸国の中で最低レベルとなっている。

 2004年日本育英会が整理・統合されて独立行政法人・日本学生支援機構が誕生し、そこから奨学金は豹変した。公的機関であるはずの日本学生支援機構は民間からの資金を導入し、奨学金制度を金融事業として展開し、年利は上限3%、奨学金とは名ばかりで、利子で利益を上げる金融ビジネスとなった。

 返済の一時猶予や返済期間延長の仕組みこそ有るが、実質上救済制度はほとんど無い、大学卒業から始まる月々の返済は容赦が無く、3ヶ月延滞したら一般の金融業者と同じくブラックリストと呼ばれる個人信用情報機関に登録される。

 筆者はここで、日本学生支援機構の奨学金は国と金融業者がタッグを組み、低所得世帯をターゲットにした貧困ビジネスなのだと言い切っています。-中略―親から支援のない学生は、過労死レベルまでバイト漬けになるか、奨学金という名の借金をするしかない。普通に生きて来た若者達が、自覚のないまま続々と社会的弱者に転落している。

 奨学金を利用して大学を出ると卒業するまでに200万~400万の借金を負い社会に出ても初任給から月々5万程度の返済が待っている。生活費を稼ぐためブラックバイトをするか、手っ取り早い風俗に身を沈めるかのどちらかを選ぶ子が多い。ブラックバイトは違法労働で有るだけでなく、学生が学生らしい生活を送れなくアルバイトの事を指している

 ブッラクバイト多いのは飲食や小売り、介護などの労働集約型事業で、かっては正社員がやっていた責任が重い仕事を非正規雇用や大学生が負わされることがそもそもの原因だ。

学生にブラックバイトが蔓延する理由は奨学金と同じで、親の世帯収入減と学資の高騰だ。親の支援が少ない中で高額な学費に常に追われ、その金額を稼ぐのはアルバイト漬けになるしかない。

 この本を読んでいる最中、去る10/15の朝日では、風俗は嫌だけどお金足りぬ。と言うタイトルで、短大生就活費・学費に追われと言う副タイトルで大阪市の一等地にあるマンションの一室が、風俗店の待機部屋だと言う記事が出て、短大2年生の生き様がルポされていました。風俗嬢になり身体を売れば、他のバイトよりよほど稼ぎも良く、時間的な余裕も生まれ、一時的とはいえ、やっと学生らしい生活が出来るのです。

 安保関連法案を成立させた後は、阿倍総理は東南アジアを歴訪し、積極的平和外交を展開して各国に経済支援を約束したりして、韓国で開かれる日韓中首脳会談に備えて居るのかも知れませんが、国内での経済回復は計画通りとは言いがたく、経済的貧困家庭が増えているようにさえ思えます。やはり国民年金はせめて生活保護水準にまで引き上げて、国民が最低生活だけは確保できる、社会保障改革の方が最優先課題では無いかと思います。

 (株)市川不動産

 

 

 


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