12/16のNHKのTVの10時からの番組で「ご近所の底力」を見て素晴らしい番組だと思いました。三重県津市では駅前のあったスーパーが撤退し、今まで5分で出来た買い物が片道25分もかかる様になり、老人世帯では①毎日出来た買い物が週一回になり②買い物途中の坂道で自転車に乗っていて転んで大怪我をして入院するという事があり③買い物の楽しみが無くなったと言う程困っている地域を取材し報告がなされました。昔は商店街で栄えた町の中心街が郊外の大型店に商圏を奪われて、町の中心部の商店が次々と閉店し、今度は今まで生き残って来たスーパーでさえ、町の中心部には老人しかいなくなると購買力は低下し、採算が取れなくなって撤退せざるを得なくなったのだそうです。和田あき子さんのレギュラー番組でもあり、今回は野野宮氏と宮本氏の両名が、同様の理由で衰退してきた町が、今はご近所の底力を結集してうまく切り抜けた事例を取材して報告しました。第1の事例は大阪堺市の井上様の活躍で、遠くのスーパーにお願いして、初めは駄目だと断られたのに何回も交渉し、最後には住民パワーが効を奏し無料のバスを走らせてもらうことに成功し、玄関横付けのバスが走るように成り、ご近所の老人が和気合い合いでバスに乗り、「バスよ来い、早く来い、・・・」と買い物通いの歌まで出来たのだそうです。チャーターバスは52,500円かかり、広告費を病院や介護施設とか、スーパの協力金収入で週4回走らせるまでになったとか、初めは困った人達が何回もアンケート調査を繰り返し知恵を出し合った結果だそうです、第2の事例は茨城県日立なかの市で宮本投手が取材をしたのですが、ご近所の主婦100名のボランテアで撤退したスーパーの後を借り、そのスーパーを自分達の手で復活したお話しで、車で10分ほどの農家を口説いて野菜を卸してもらい、一方農家も今までは細くて売れなかった芋なども売れて助かっているというし、産地直結だから新鮮で買う方も喜んでいるとか、売値の13%は事務費として支払い、持ち込んだ野菜も売れ残ったら持ち込んだ農家が持ち帰るという仕組みで余ったスペースはイベント会場にして、リハビリ体操もして人集めをし、一日200人も来るようになったのだそうです、これは塚越様と言う66歳の主婦の方が中心となり、農家の代表として石田様もスタジオに来て報告をされましたが、最初は12~13人で始めたのだそうです。また青森市の町作りではお年寄りが歩いて買い物の出来る町を目指して、駅の近くに市営住宅が建てられ、ホテルの様に一階にフロントが設けられ何でも相談が出来、マンション内での人事交流を深めるために各種のイベントを計画し、その一つとして歩いて行ける商店街の見学をする言う買い物ツアーが紹介されました。地方都市ではそれまで続いた商店をスーパーが進出して壊し、それを又郊外の大型店が商圏を奪って、スーパーが撤退するという悪循環に陥り、若い内はそれでも車で買い物に行けばよいのですが、車にも乗れない年寄りだけが置いてきぼりにされると言うのは地方格差の一つでもあります。今の若い人もいずれは年を取ることを忘れてしまっているのでは無いのでしょうか?と言うリポーターの締めくくりの一言は味わい深く良かったと思いました。
㈱市川不動産