昨年の1/23日にこのブロクに一度書いた、岩波新書、「タックス イーター」という本の37ページには「日本の社会保障制度はすでに破壊しているのである。ところが厚労省の官僚は頑としてこれを認めようとはしない。もし認めれば「年金100年安心」や「財政再決算で確実性が証明された」といった社会保障制度に関して言ってきたこれまでの嘘がすべて露見してしまうからである。と堂々と書かれています。
この著者の志賀桜氏は1949年東京生まれ、1970年司法試験に合格、1971年東京大学法学部卒業、大蔵省入省、熊本国税局宮崎税務署長、在連合王国日本大使館参事官、主税局国際租税課長兼OECD租税委員会日本国メンバー、主税局主計官をへて、1993年警視庁へ出向岐阜警察本部長、1998年金融監督庁国際担当参事官兼FSF日本国メンバー、特定金融情報管理官兼FATF日本国メンバー、2000年東京税関長、2002年財務省退官、2010~12年政府税制調査会納税環境整備小委員会特別委員。現在:弁護士という大蔵省のエリート官僚だった人なのです。
去る11/20の日経夕刊によれば「無年金64万人救済」というタイトルで年金の受給資格を得るために必要な保険料の納付期間を25年から10年に短縮する改正年金強化法が16日に参院本会議で全会一致で可決成立を見た。改正法は来年の8月に施行され10月から約64万人が新らたに年金を受けられるようになる見通し。受給は本人か代理人が年金事務所に請求書を提出する必要が有る。ただ受給資格期間を短くしても26万人が未だ無年金のままとなる。と報道されました。
チョット見ると無年金の人を救ってやった感じに取れますが、過去にさかのぼって受けることは出来ない。とか、国民年金の場合年金額は保険料の加入期間10年で月約1.6万円、20年で約3.2万円、40年で満額の6.5万円と比べて低い。と出ています。一般庶民はこんな低い年金でも貰えないよりはましで喜ぶだろうと官僚の上から目線を感じます。
前記の本の様に何故、本当の事を書かないのでしょうか?食って行けない年金制度はあっても無意味だし、その制度をさもさも改正したかの様な感を与える記事の書き方には憤りを感じます。日本の国の年金制度は前記の本のように、もうすでに壊れてしまってどうしようもないのです。将来自分たちは年金が貰えなくなるだろうからと若者が関心も示さ無くなるのも当然です。
そこで体裁よく無年金者を救う振りをして、改正したとしてもこれ迄ちゃんと掛けてきた人と比べれば、この低さです。そしてこの法案が成立後も約26万人の無年金者が残るというのです。
改革、改革というのなら共済、厚生、国民年期の差別を撤廃し、国民一人当たり毎月15万円支給する位の最低国民年金法を定め二階建てもやめ、一本化してしまいそこから一つ一つ上乗せしながら再評価し、天引きも国民が納得する様な事を考えたほうが良いのではないかと思います。思い切って食って行けない年金制度など一旦廃止すればよいのです。年金で食って行けない国なんて、文化国家なんて言ったってとんでもないとしか思えません。
今の年金制度など、国家公務員最優先でその後一流企業となり、国民年金なんて基礎年金と呼ぶ方が可笑しい、生活保護よりも低い年金制度です。
こうしたことを決める国会議員は毎月100万円までは、領収書もいらない何に使っても良いお金が図書交通費として支給されていながら、その他に月150万の歳費が給料として支給されている人達が決めるのです。決める人達は懐が裕福で自分のことでは無いから、強い関心が無いのも当然です。だから改正したといってもこの程度しか出来ないのだと思います。それなら国会議員なんて数をもっとうんと減らして浮いた税金を弱者救済に回せば良いと思うのです。
国民が怒らないのが不思議なくらいです。戦争を知らずに平和国家で純粋培養された若者は、植物人間に育てられデモする元気もない国民が増えて、政府の思うつぼかも知れませんが、韓国だって朴大統領の不正が露見したら国民があれだけのデモをして弾劾裁判を叫ぶし、中国だって何か有ればすぐ騒ぐ国民です。何も騒ぐ事が良いこととは思いませんが、最近は日本国民から背骨が無くなっちゃたみたいな気がして、情けなくなります。
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