大10同好会

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青葉若葉の候(土井)

2008年04月25日 14時39分42秒 | Weblog
   あらたうと青葉若葉の日の光   芭蕉
奥の細道の道中、日光での作です。句意は、ああ何と尊く感じられることよ、この青葉若葉に降り注ぐ明るい日の光は(さすがに東照宮権現のおわす山だ)といったところです。
新緑に風薫るとか、青葉・若葉の候とかいわれ一年中で最も爽やかな季節となりました。
この句のように青葉若葉と続けて使われることがよくありますが、青葉と若葉を単独で使っても意味は殆ど同じで、初夏の樹木のみずみずしい新葉のことです。
唯感じ的には青葉の方が若葉よりいくぶん夏に近いとされているようです。
若葉に覆われたみずみずしい樹木を「新樹」といい、その爽やかな葉の緑を「新緑」といってこの時季の代表的な季語となっています。
そしてこの若葉は谷若葉、里若葉、山若葉、若葉雨、若葉寒等と名詞と合体して使われたり、木を特定して、柿若葉、椎若葉、樫若葉、楠若葉等として詠まれることもあります。
みどりの季節をゴルフでも行楽でも理屈抜きに楽しむのが一番いいのでしょうが、俳句を少しかじるようになってからは、柿を見ればまさに柿若葉を、風が頬を撫でれば若葉風として感じ、これまでより若干自然を深く観察し、感動の度合いも少しは増してきたような気がします。