カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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ニューギニア付近で大地震 関東から九州までの太平洋側広範囲に津波注意報

2009-01-04 11:57:18 | インポート

本ブログをご覧の皆様 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

①1月4日10時31分気象庁発表の津波注意報の内容です。気象庁HPより引用

03_200901041031

伊豆諸島 津波注意の津波注意報
小笠原諸島 津波注意の津波注意報
相模湾・三浦半島 津波注意の津波注意報
静岡県 津波注意の津波注意報
愛知県外海 津波注意の津波注意報
三重県南部 津波注意の津波注意報
和歌山県 津波注意の津波注意報
徳島県 津波注意の津波注意報
高知県 津波注意の津波注意報
宮崎県 津波注意の津波注意報
鹿児島県東部 津波注意の津波注意報
種子島・屋久島地方 津波注意の津波注意報
奄美諸島・トカラ列島 津波注意の津波注意報

正月三が日も過ぎて、そろそろ御屠蘇気分も抜けつつある4日ですが、4日早朝、ニューギニア付近(南緯0.7°、東経133.4°)の深さは約30kmで大きな地震がありました。この地震の規模(マグニチュード)は7.5と推定されます。

気象庁では、関東地方から九州地方までの太平洋側の広範囲に、津波注意報を発表しました。

※津波発生・伝播の仕組みは、本ブログ平成18年11月16日の記事を参照ください。

②津波警報・注意報の種類 気象庁HPより引用

種   類解   説発表される津波の高さ
津波警報大津波高いところで3m程度以上の津波が予想されますので、厳重に警戒してください。 3m、4m、6m、8m、10m以上
津 波高いところで2m程度の津波が予想されますので、警戒してください。 1m、2m
津波注意報高いところで0.5m程度の津波が予想されますので、注意してください。

0.5m

引用図②より、津波注意報の内訳は以上の通りとなっていますが、実際の津波の波高は、海底屋沿岸の地形に大きく左右されて、局地性が大変強いものです。場所によっては、0・5mよりも高い波高になっていることも充分に考えられます。

また、津波というもの、海水が海底まで円形運動の流れをしています。言い換えれば、波といっても、海岸付近では、濁流状態のように伝播してくるようになります。津波波高50cmということは、海岸では水位が50cm上昇し、海水が濁流状態で押し寄せると考えるべきです。通常の風波と比べて、海岸を内陸方向に駆け上がる高さ(これを津波の遡上高と言います。)は、津波の波高(水位が上昇した高さ)のおよそ10倍にまで達する箇所もありますから、油断なりません。

さらに、津波は、

<1>海底で大きな地震が発生した時の海底の地殻変動のエネルギーが海水に伝播し、四方に広がっていくものですが、海底の地殻変動が広範囲で、その変動がドミノ崩しのごとく、連続的に数重ねて発生すると、発生する津波の波長が長くなり(津波のエネルギーが大きくなり)、津波の波高は高くなります。※ですから、過去に、津波注意報と当初発表されても、のちに津波警報に更新された と言う地域もありました。(昭和58年日本海中部地震や平成5年北海道南西沖地震の際ですが)

<2>津波は、第一波より、後続の第2波、第3波のほうが波高が高くなるものです。当該津波に伴う海面の変動は、短くて数時間、長いものですと丸1日以上かかるものもあります。(昭和35年のチリ地震津波の際には、海面の変動は丸3日続きました。)

<3>津波は、通常の風波よりも波長が大変長く(波としてのエネルギーが大きく)、発生してから伝播途中で、あまり減衰しません(今回のニューギニア付近やボルネオ付近で発生した地震で発生した津波でありますと、おおむね、父島での津波の波高が本州太平洋側でも観測されると考えて良さそうです。)。

以上の特徴を持ち合わせています。

海岸付近の方々は、どうかお気をつけて!