カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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冬の嵐は北日本へ広がる28日は再び西から天気荒れ模様 平地でも積雪のところも

2006-12-27 22:23:55 | インポート

06122715 引用図は、12月27日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

昨日26日からきょう27日明け方にかけて、関東地方などに12月としては観測史上最高の大雨を降らせた低気圧は、今日27日朝には、東北地方の太平洋側に達して、更に発達を続けながら三陸沖を北上しています。

このため、大荒れの天気は北日本へも広がり、北海道や東北北部でも、12月としては珍しい大雨となりました。

また、北日本、東日本を中心に等圧線が混んで、風が相当強まり、栃木県の奥日光では14時53分に最大瞬間風速が42・3メートルを観測したのをはじめ、八戸、深浦、石廊崎、三宅島で、最大瞬間風速が30メートルを超えました。

気象庁のある東京都大手町でも、14時31分に最大瞬間風速27・4メートルの強い風を観測し、特に関東地方では、北部や西部の山脈を気流が越える際にフェーン現象が発生したこともあって気温が上昇し、最高気温が、軒並み20℃を超えて、まるで冬とは思えない暖かな1日となりました。

この、各地に荒れ模様の天気をもたらした低気圧は、あす28日には千島近海に進みます。北海道では、あすまで荒れ模様の天気は続くでしょう。

引用図は①12月28日9時の予想天気図です。気象庁HPより引用。②は、12月27日9時のAXFE578図です。この図は日本気象予報士会HPより引用しました。

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引用図②より、あす28日は、上空の偏西風の谷が西から本州に接近してきて、夕方から夜にかけて、本州中部付上空を通過するでしょう。

この偏西風の谷の後面からは、強い寒気がどっと流れ込む予想(上空1500メートル付近でも-6℃以下となります)で、西日本では、日本海側は広範囲で大雪となり、平地でも積雪となる箇所もある模様で、関東周辺でも、北陸地方や北部山間部はもとより、普段雪が少ない、長野県中部や南部あたりでも、まとまった降雪となる恐れがあります。

関東地方平野部でも、午後から宵の内にかけて、大気が不安定となって雲が広がり、雨や雪がぱらつくところもありそうです。

さらに、あす午後から夜にかけて、関東南部沿岸から伊豆諸島北部、静岡県沿岸上空では、引用図②の上方の図に注目すると、正渦度(斜線部分)の南縁(上空の特に風が強い部分です。強風帯などとも呼んでいます。)に入り、上空と地表が同一風向(西より風)となりますので、西よりの風が相当強まるでしょう。

地形的に西より風が強まりやすい、伊豆諸島(とりわけ新島周辺)や伊豆半島などは要注意です。暴風警報クラスの風速となる懸念もあります。

海上では、北日本近海や日本海周辺のみならず、西より風が強まる、関東南部海域から東海沖でも、かなりしけますから、船舶関係は警戒してください!