カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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低気圧の本州付近での挙動について Part2(日本海低気圧①編 冬型緩み時発生で本州南海上高圧帯の場

2006-12-02 23:56:34 | インポート

06120218 引用図は、12月2日18時の天気図です。気象庁HPより引用。

今日は、日本海を低気圧(冬型緩み、昨日夜遅くに、日本海西部で発生しました。)が東進し、本州上を寒冷前線が西から東に移動しました。

このため、北日本や日本海側を中心に雨や雪となり、北陸では、まとまった雨量となった所も多かったのですが、関東地方だけは晴天となり、気温も上がり、東京では最高気温が16・2℃と11月中旬の陽気となりました。

20061202180000 気象庁HPから引用の、12月2日18時の本州付近、レーダーアメダス解析雨量図をご覧いただいておりますが、関東地方だけ、ぽっかりと、降水のない地域となっているのがわかります。

これは、日本海を低気圧が東進する時で、本州の南海上が高圧帯となる場合(冒頭の引用図より、等圧線が本州南海上で貝のひだの様になっていますね。これが特徴です。)、日本海の低気圧に吹き込んだり、低気圧の周辺を吹く、南西から西よりの気流が、関東の西の山地を越える際に、フェーン現象を発生させて、関東平野で気温が上がり、寒冷前線に伴う雨雲も、衰えてしまうため、降水となりにくいものです。

このような気圧配置は、冬型気圧配置が緩み、日本海西部で低気圧が発生し、その低気圧が日本海を東進する場合によく現れます。

ただ、冬型気圧配置が緩み、日本海西部で低気圧が発生する場合でも、当該低気圧の前面で高気圧が移動性となる場合は別で、こうなると、日本海の低気圧が若狭湾沖から佐渡沖辺りに差し掛かるとともに、紀伊半島から関東南岸(房総半島沖や伊豆諸島北部辺りが多いですね。)に別の低気圧が発生し、この低気圧が発達しながら関東東海上から三陸沖に進み、前記した日本海を東進してきた低気圧を吸収しながら更に発達すると言うシナリオを描くものです。

この場合は、関東地方、特に南部の天気はぐずつくようになりますね。

さらに、前記した日本海の低気圧から延びる寒冷前線が、本州を通過する際に、寒冷前線の北側で、等圧線が東西に走る場合、関東平野には、寒冷前線通過時に、東海上から湿った気流が入り込んで、この場合も、関東地方では天気がぐずつくものです。