カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

あれっ!天気図上には前線がないよ。いや、隠されているんです!

2007-05-20 12:50:03 | インポート

①5月19日9時の天気図です。気象庁HPより引用

07051909

②5月19日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図。気象庁HPより引用。

200705190900

③5月19日6時の天気図。気象庁HPより引用

07051906

5月19日は、日本海から北日本を、上空に寒気を伴なった低気圧が東進しました。

このため、本州の所々で、一時的な強い雨や雷となりましたし、ひょうを観測した箇所もありました。

引用図①より、青森県沖に低気圧がありますが、引用図②の降水分布より、この低気圧から、前線(寒冷前線でしょうか)が延びているように見えます、そして、次の、引用図④より、当該低気圧の中心から、関東付近を通り、中部地方にかけて、等温度線の混んだ部分(引用図③の下側の注目!、この部分が前線を表現するものです。)がありますね。また、引用図③の上側より、U時型の網掛け線部分(この図は上空5500メートル付近の気流の状態を表現し、このU字型を正渦度といいます。この部分が移動してくる前面では、雲が発生・発達しやすくなります。)があるのがわかります。

なお、参考までに。引用図①の関東地方の低気圧は、新たに関東地方付近で発生したもの。引用図③では、能登半島西方沖に低気圧がありますが、この低気圧がそのまま関東地方へ進んできた と言うことではありません。(本ブログ本年4月16日の記事をも参照ください。)

よって、前記より、この青森県沖の低気圧から前線(寒冷前線)が関東付近を通り、中部地方にかけて延びている(前線は、以前も書きましたように、純然たる線ではなく、帯状のものとして捉えてください。本ブログ昨年11月の記事を参照。)と考えるのが妥当です。

そして、この、前線(帯)がかかっていた所へ、19日午後、前記引用図③での正渦度が通過したことにより、当該前線(帯)で、再び雨雲(雷雲ですが)が発達し、関東地方や東北地方南部で、所々、雷を伴なった強い雨が降りました。

この様子を、引用図④5月19日15時の天気図 引用図⑤5月19日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 引用図⑥5月19日18時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図でご覧ください。

④5月19日15時の天気図

07051915

⑤5月19日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 

200705191500

⑥5月19日18時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図

200705191800

本記事で取り上げた現象は、本ブログ本年3月11日記事内の現象と酷似しています。

まさに、前線は、線としてではなく、帯として捉えるべき と言うことです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。