①5月8日1時49分気象庁発表の、5月8日1時45分茨城県沖で発生した地震の震源・震度分布図 気象庁HPより引用
5月8日1時45分頃関東地方から東北地方にかけて、かなり強い地震がありました。
当初、この地震の震源地は茨城県沖 ( 北緯36.2°、東経141.7°)で震源の
深さは約40km、地震の規模(マグニチュード)は6.7と推定 と気象庁より発表されましたが、
その後、気象庁からは、
この地震の規模は、マグニチュード 7.0 深 さ 51km。 震央の緯 度は、北緯 36度13.7分。経 度は、東経 141度36.5分と訂正されました。
この地震で、茨城県水戸市(内原町)と栃木県茂木町では震度5弱を観測し、岩手県から千葉県までの広範囲で震度4を観測しています。
今回の地震は、関東地方が乗っかっている、北米プレートの下側に沈みこむ、太平洋プレートの境界付近で発生した地震と思われ、このタイプの地震は、昭和53年と平成17年に発生した宮城県沖地震と同じタイプの地震です。昨年10月1日よりスタートした、緊急地震速報ですが、当初、震源地はほぼ予測できたものの、関東一円で最大震度4との予測でした。これに、修正(地域的特性を考慮したのでしょうか?)を加え、千葉県の一部で最大震度5弱と予測し、発表したのですが、修正に時間がかかってのでしょうか、地震発生には発表は追いつかず、震度5弱だった水戸市では大きな揺れの40秒後で、栃木県茂木町では38秒後。震源地から100キロ以上離れた東京都心でも約30秒後となってしまいました。
ここで、今一度、緊急地震速報のメカニズムについて紹介しましょう(本ブログ平成19年10月1日の記事です。)
<緊急地震速報のメカニズム>
まず、地震波には、地震発生後 ①P波 →②S波(主要動などといわれ、地震の被害をもっとも引き起こす部分です。)→③表面波の順にやってきますが、
1・まず最初にやってくる①のP波の振幅や伝わって来た方向より、当該地震の規模(マクニチュード)を算出します。
→
2・地震のマグニチュードと地震を起こす震源断層の長さの関係式から、当該地震の震源断層の長さを算出して、
→
3・地震のマグニチュードと、当該地震の地震波の最大速度と震源断層からの距離の関係式と、最大速度と計測震度との関係式を利用して、当該地震の、各地点地点の震度を算出する。
→
4・3で算出した予想震度で、震度5弱以上と推定される地震のうち、震度4以上の地域を緊急地震速報で発表する。
以上となります。
ただ、注意しなければならないのは、地震の揺れ方の大きさを左右するものは、①その土地の表層地盤の硬軟(表層地盤が軟らかいほど、地震波が増幅して揺れ方は大きくなります。) と ②震源から地表までの地殻内の特性による地震波の屈折 です。
このうち、緊急地震速報の作成メカニズムでは、前記①の部分は 前記項目3で考慮されていますが、②の部分は考慮されていません。②の部分は複雑ですからね。
よって、比較的深い地震では、緊急地震速報の予想震度は低めに出る可能性が大きく、また、比較的震源が浅くても、地形的特性によっては、やはり、予想震度が実際の震度より低くなることもあるのでは?と思いますね。地域的特性は充分に反映されてませんから。
また、震源が直下の地表付近ごく浅い箇所で発生した地震は、前記したP波とS波がほぼ同時にやってきてしまいますから、緊急地震速報は出せません。
以上ですが、地震も、気象と同様、いや、気象以上に、局地的特性が強く、過去の地震より、その揺れ方の地域的特性を充分に見極めること。地震と言うものは、局地的・定性的に受け止める必要があることを、今一度、私は強調したいと思います。
この点では、まだまだ、緊急速報のメカニズムは不完全なもの。さらに、
個々の地震の、局地的・定性的に分析した特性の部分のデータ蓄積が待たれるところですね。
でも、その発生すらまったく予測できなかった地震が、発生後にしろ、予測できたことは(勿論防災情報には生かせませんでしたが)、地震予知について、確実に1歩前進した と言えるのではないでしょうか?
12日はお世話様でした。返答遅れてすみません。
12日も、緊急地震速報、誤作動ありましたよね。まあ、今の段階は、産みの苦しみ といったところでしょうか。
なるほど。これからは、緊急地震速報を受信する場合の心構えが出来ましたね。
私の住んでいる千葉県成田市内もユサユサとかなり揺れました。