カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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熊本地震 今後は大分県内でも要警戒!!

2016-04-16 12:44:26 | 日記
引用画像は、16日10時30分気象庁発表の㍻28年熊本地震での主な地震の規模と震源地位置図です。
(青色丸とグレー色丸が、14日、15日発生、赤色丸が本日16日発生 のものです。)
気象庁HPより引用。



㍻28年熊本地震、大きな余震を頻発させながら、布田川・日奈九断層帯の中の北側の部分の活動が活発化して、この地域で、16日1時25分、今までで最大級となるマグニチュード7・3の地震を発生させて、熊本市や宇城市など、熊本県の広範囲で、震度6強〜6弱の激しい揺れを引き起こしました。

地震のマグニチュード(規模)と、当該地震を発生させた断層(震源断層)の長さの間には

※震源断層・・・L 地震の規模・・・M とすると

Log L = 0・6M-2・9 (松田の式)

Log L = 0・5M-1・85 (宇津の式)がありますが、
16日未明に発生した最大地震の規模である、マグニチュード7・3の場合ですと、震源断層は、およそ40㎞~50㎞となります。

仮に、当該最大規模の地震が、震源断層の真ん中で発生したとしても、震源断層は熊本県八代市付近から大分県南西部までに及びますが、引用画像より、16日になると、次第に、規模の大きな地震の震源地は、大分県南西部から中部にまで広がってきました。

熊本地震、今後の余震を含めた活動は、熊本県内のみならず、大分県南西部から中部に広がりそうですね。さらに、大分県内には、西南日本に走っている大きな断層帯である中央構造線の一部である、別府・万年山断層帯が、引用図でご覧のように、幾重にも連なっています。大分県南西部から中部で地震活動が活発化すると、この、別府・万年山断層帯が刺激されて活動を強めることも充分に考えられますので、細心の注意をもって一連の熊本地震の地震活動の推移を見守る必要がありそうですね。

またしても、熊本県熊本地方周辺 のみならず阿蘇地域でも大きな地震!!

2016-04-16 03:50:42 | 日記
引用画像は、16日1時25分頃発生した地震の震央と各観測地点震度分布図
:全国版



:九州地方版



です。共に気象庁HPより引用


14日の熊本地震の余震が活発な中、4月16日01時25分頃、熊本県熊本地方(北緯32.8度、東経130.8度、長崎の東90km付近)で、震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は7.3と推定される強い地震がありました。

この地震で、熊本県熊本市中央区や西区、東など屋、阿蘇地域周辺で震度6強 また、熊本県北部地域の所々で震度6弱を、さらに、九州各地で、震度5強や震度5弱の激しい揺れを観測しました。

この地震は、布田川・日奈九断層帯の中で、14日の熊本地震を発生させた断層の北側の西南西〜東北東に走る断層帯で発生した地震、14日の熊本地震で誘発発生した地震と思われます。

いずれにしても、布田川・日奈九断層帯、位置する地層が比較的もろく、多数の断層が重なって一つの断層帯を形成している地域です。当然、余震はきわめて多く、規模の大きな余震も多発すること必至ですから、14日の熊本地震で、建造物がダメージうけたり、土砂災害が発生しやすくなっています。厳重な警戒をお願いいたします!

14日の熊本地震、地震波形からの特徴は?

2016-04-16 03:16:31 | 日記
引用画像は、14日21時26分に発生した㍻28年熊本地震で、震度7を観測した熊本県益城町のKikーnet 
地震観測網データからの地表部分の地震波形データ(単位は加速度gal ㌢毎秒毎秒)です。防災科学技術研究所HPより引用。



14日21時26分に発生した ㍻28年熊本地震ですが、震度7を観測して甚大な被害が出た熊本県益城町での地震波形データですが、

各成分最大加速度は

南北方向 760gal

東西方向 925gal

上下方向 1399gal

を観測しております。以上3成分合成値で1580gal 計測震度6・5(震度7)となっております。


3成分、激しい揺れと推測されますが、とりわけ、上下成分の揺れがすさまじかった(重力加速度以上)地震といえますね。

地震波形の上下成分が、地震発生後いち早く観測されていますが(P波ですね)、最大は、地震発生後およそ19秒後に観測されております。南北方向成分、東西方向成分(S波の部分です)の最大値発生時刻付近と合致しています。S波がやってきた後もP波が伝搬していることになりますね。教科書通りに、P波がやってきた後、S波がやってくるといったわけにはいかないようですね。

実は、今回の熊本地震に限らず、地震波形というもの、このような波形にはなっています。

strong>まず最初にP波がやってきますが、その後もP波は地震発生する地殻変動により形成され続けており、
次第に、S波と合流するようになること、換言すれば、P波S波同士、互いのエネルギーの一部を吸収し合うようになるわけですね。
さらに、地震波は、伝播する地中に断層があったり、傾斜になっていたりして、伝播する地中のの地盤の強度にムラがあったるすると、伝播する地震波はまっすぐに伝播せずに、
相対的に固い地盤で跳ね返る伝播をするようになります。これが地震波の屈折を呼ばれるものです。

地震波の実体波(地中を伝播する地震波)である、P波とS波とでは、P波の方が伝播中に屈折をさせやすいものですね。

さらに、地震波は地表に到達すると、地表を伝播する地震波(表面波)も発生します。表面波も上下成分(レーリー波)と南北東西成分(ラヴ波)との2種類発生します。

引用図内、益城町の地震波形より、各3成分で、最大加速度患側後も、東西成分と南北成分では、地震波の振幅は比較的大きいですが、地震波の波形は、緩やかになっています。
この状態は、表面派のラヴ波が卓越している状態ですが、地表の地盤が、軟らかい表土層が多く堆積している地域ほど、この傾向が強まります。


以上より、益城町周辺では、地表付近の表土層が比較的厚く(地盤軟弱)で、地中が、断層があったり、傾斜が見られる地域であると断定できます。

このことより、今回の熊本地震で、益城町周辺で、帯状に被害大きい地域が発生していた点、説明つきそうですね。