カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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日本海を低気圧が発達しながら移動!この場合、低気圧の進路と若狭湾付近の気流動向に注目!!

2016-04-08 18:23:55 | 日記
①4月7日9時の天気図 気象庁HPより引用


7日、低気圧が日本海を発達しながら東北東へ進んで、東日本や西日本では、ところによっては瞬間で40㍍毎秒を超す台風並みの暴風に見舞われて、まさに、さくらの花散らしとなる、」春の嵐となりました。

今回のように日本海を低気圧が発達しながら移動して日本列島を横切る場合、
Ⅰ:当該低気圧の進行経路

Ⅱ:日本列島周辺の気流と降水域の動向

Ⅲ:若狭湾周辺の気流の動向

以上3点に注目するべき、であると私は考えます。


まず、Ⅰですが、

低気圧の進行経路が日本海西部から、日本海中部の能登半島沖から佐渡沖で、北緯40度線より北の場合、当該低気圧は、とりわけ発達するもので、北海道から九州まで、低気圧の前側は南東から南〜南西風が、後ろ側では、南西〜西寄り風が卓越し、
広範囲で強風が吹き荒れます。


のに対して

低気圧の進行経路が、日本海沿岸に近く、能登半島や佐渡をかすめるような進路ですと、強風の範囲は、東日本では太平洋沿岸に限られ、関東や甲信などの東日本の内陸部では、低気圧の通過前までは、強風が比較的吹きにくいという傾向があります。


続いて、Ⅱですが、

上空1000㍍〜3000㍍までの気流の動向をみると、低気圧(温帯低気圧)の暖域内で、気流の収束が現れる個所では、帯状の降水域(スコールライン)が発達し易くなり、その気流の収束箇所が、上空3000㍍付近までに及ぶほど、当該箇所で発生発達するスコールラインは、より活動は強まり、強い雨を降らせるものです。

さらに、Ⅲですが、

低気圧が近畿地方に接近前に、上空1000㍍付近での気流において、、若狭湾周辺で、気流の収束による低気圧性循環(南東〜南西風)が現れると、南東風が、濃尾平野から岐阜県関ケ原周辺の地形的鞍部に気流がどんどんと流れこんでくるため、
福井県嶺何地域周辺で、南東風が強まります。こうなりますと、若狭湾から南西方向に位置する、紀伊水道から大阪湾沿岸部で、南〜南西風が局地的に殊の外強まり、風速20㍍毎秒以上の暴風を観測することも多々あります。


このⅢの様子を、引用図①の7日9時の天気図と、同時刻の、
②:7日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 :7日9時の近畿地方周辺アメダス風向風速分布図 で確認してみましょう。


:


:



7日は近畿地方周辺では、引用図の時刻頃から紀伊水道から大阪湾沿岸部で南〜南西府が強まり。一時10分間の平均風速が20㍍毎秒~25㍍毎秒、
瞬間では30㍍毎秒を超す暴風が吹き荒れて、関空連絡橋やJR阪和線では、日中、列車の運行が弾速的にストップしてしまいました。


低気圧は、日本列島の地形的特性を受け易い所以ですよね。