カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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建造物のダメージ大きい地震波が多かった熊本地震

2016-04-28 08:28:09 | 日記
①今回の熊本地震における加速度・速度応答スペクトル図 :は熊本市内 :は益城町
.内で ィ:は4月14日21時26分発生 ロ:は4月16日1時25分発生 の地震のものです。防災科学技術HPより引用。

※加速度。速度応答スペクトルとは、各々固有周期をもつ津建造物が、今回の地震を受けてどれだけの加速度(1㌢毎秒毎秒=1gal)速度(1㌢毎秒=1カイン)で揺れたかを示すものです。

;
ィ:


ㇿ:


:
ィ:


ㇿ:



未だに余震が頻発して、甚大な被害の様相が少しずつ判明しつつある熊本地震ですが、 上図より、以下のことが判明したといえます。

今回の熊本地震で、引用図にはありませんが、14日21時26分発生 16日1時25分発生とも 熊本市内では、最大加速度800gal~900gal 最大速度で60カイン〜80カイン 益城町では 1400gal〜1500gal程度、 最大速度で140カイン程度観測しております、
そして、 各固有周期における応答加速度や速度が、前記最大加速度・速度から1.5倍〜2倍程度観測している場合、当該固有周期で顕著な共振現象が生じていると言えます。

引用図①より、熊本、益城とも、固有周期0・5秒以上で、加速度1000gal、速度100カインを超えており、固有周期1秒辺りでは、速度200カイン以上となっております。

因みに、㍻7年兵庫県南部地震以降の被害地震 における 任意の各観測地点の加速度・速度応答スペクトル図 を記しました。(東京大学地震研究所HPより引用)


今回の熊本地震、兵庫県南部地震ほど顕著ではないものの、一般の木造住宅や中層建造物の固有周期である0・7秒以上で、速度200カインを観測し、当該固有周期あたりで、顕著な固有周期を発生させているといえ。この結果、建造物のダメージが大きく、おまけに、震度6弱から震度7の激しい揺れは、3日間で2回も発生したため、建造物のダメージはより一層大きくなったわけです。