カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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お隣の韓国では大雪の所も ソウルで25cmの降雪

2010-01-04 15:10:55 | インポート

①1月4日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月4日9時気象庁発表のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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昨年末から本州付近で続いていた冬型気圧配置は、次第に西から緩み始めて、替わって、朝鮮半島には低気圧が進んできました。

この低気圧、引用図①と引用図②の上側図より、渦管が西から北西方向へ傾斜しており、発達中であることが判りますが、お隣の韓国では、この低気圧の接近通過に伴って4日未明から雪となった箇所が多く、中部や北部では記録的な大雪となっています。

韓国ソウルでは、4日12時までに25cmの積雪を観測し、41年ぶりの大雪となりました。

この大雪のため、ソウル市内では鉄道や道路が麻痺し、ソウル金浦空港では、午前中、航空機の離着陸が不能となって、国内線の全便や羽田や関空からの便が欠航となったとのことです。

引用図②の下側図より、4日9時現在、上空3000m付近の上昇流で顕著な部分は、丁度韓国ソウル周辺にあって東方向に進んでいるものと見られ、ソウル周辺の大雪は峠を越えつつあると思われます。また、上空1500m付近の-6℃の等温線は、ソウルの南のスワン(水原)付近から南東部ポハン(浦項)付近を通っており、この、上空1500m付近の-6℃等温線より南側に入った地域の、プサン(釜山)やモッポ(木甫)ではみぞれや雨であったと思われ、降雪の影響は皆無のようですね。

ただ、4日14時の、韓国インチョン(仁川)空港の航空実況で気温、天気、視程の部分を解読すると、

気温は-5℃、弱い雪で所により霧、視程は800m~1000mだが悪化しつつある。

とのこと。どうやら、上空1500m付近には南から暖気が入りつつあり、低気圧が次第に発達するものとも思われます。あす5日以降、日本付近でもこの低気圧の動向から目が離せないようですね。