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母の乳ガンについての備忘録3_セカンドオピニオンのメリットは多大でした

2007年10月04日 04時02分24秒 | ガン・腫瘍・乳ガンについての体験的メモ
母の乳ガン・抗ガン剤治療・セカンドオピニオンについての備忘録3_セカンドオピニオン

母が煩った乳ガンについて、セカンドオピニオンについての備忘録です。
久しぶりにこのコーナーを更新しています。



前回までのはなしはこちらです。

家の近くでみつけた、乳ガンについてのセカンドオピニオンを受け入れている「浜松オンコロジーセンター・渡辺医院」に電話し、比較的すぐに予約が取れたので渡辺医師にセカンドオピニオンを聴くことにした。

● 場所はJR浜松駅よりほど近いところでした。
● 料金について。浜松オンコロジーセンターでの母親のセカンドオピニオンは1万円もかからなかった、と記憶しています。
● 母が迷っていたのは「部分切除/全面切除」だったので、その旨を伝えると、いずれも治癒率は変わらないので、どちらが自分として納得がいくのかを優先してください、ということだった。これについてはいままでの主治医の説明と同じだったが、第二の意見を聞くことで安心はしたようだった。
● むしろ、セカンドオピニオンで参考になったのは、主治医の説明の根拠となっていた現状の乳ガンの進行度の判断で、つまりステージがいくつなのか、したがって5年後生存率、あるいは10年後生存率はどの程度かといことなのだが、それについての判断は異なっていた。
→これは結構驚いた、というのはその状況で判断すべきのベースとなることが、医師によって判断が違うということで、セカンドオピニオンというのは、判断そのものを仰ぐだけでなく、その基本となる判断材料そのものの再精査となる。これは患者にとっては大きい。
● セカンドオピニオンは、おそらく医師にとっては決して儲かる治療ではないとおもうが、(クスリも出さないし、カウンセリングに近いので面談時間は長い、30分程度会ったと思う)非常に真摯な態度で話を聞いてくれる、これは患者にとってはとても心強いことである。
● 第二の意見を聞くことで、ある意味で患者が主体的に自分の病気についての現状判断、治療方針を考える、選ぶことの契機になる。一人の医師の言うことだけであれば、そのとおりやるかやらないか、だけだが、二つの意見を聞けば、主体的に選ばざるを得ないし、その選択の責任は自分にあることが自覚される。これはある意味で厳しいことだが、真実であり、自覚的になれるだけでも大きなメリットだ。ただし「自主的な選択」は、迷いもするので、強い、理知的な自己を必要とする。
● 自分が迷っている以外の点で、アドバイスを受けることもあり、これもメリットといえるだろう。
→当時母がフォーカスしていたのは、あくまで手術の手法で、部分か全面か、だったが、渡辺医師は、腫瘍内科の立場から、ごく初期の腫瘍でも「タンポポの種が飛ぶように、体中に小さなガン細胞は蒔かれていると考えた方がいい」という立場だった。
→ガンは原発性と再発ガンがあるが、原発性は進行度と程度によるが取りこぼしなく取れれば基本的にはOKである。致死ではない。しかし、再発ガンは基本的には切除しても意味がないと考えるようだ。再発ガンはクリティカルなのだ。だから、先に再発を抑えるために抗ガン剤を使うほうがいい。
術前化学治療というが、メリットは多大で、イチバンのメリットは実際にガンが目に見えているうちに抗ガン剤を使うと、抗ガン剤の効果が実証できる。効いているのか。効いていないのか、どの程度効いているのか。
切除した後の抗ガン剤治療は、基本的には効果が目視できないので、あくまで確率論での投与となり、効いているかどうかのエビデンスを得ることは難しい。
→母はその意見をもっともだと考え、術前化学治療を受けたいと思うようになった。
そして、主治医の診察の時に、それを告げようと決心したようだった。






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