ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

嗚呼! ジャンダルム・・・「み・水が出ない~!」

2013年12月03日 00時01分07秒 | Weblog
昼食を食べるにしても先ずは安全第一とし、落石や滑落の危険性が無いポイントを選ばなければならない。
またこの狭いルート上であれば、通る人の邪魔にならないことも重要になってくる。
そうなると自ずとポイントは限れてくるだろう。
昼食の時間にはまだ早い遅い云々とは言ってられない。
「ポイントが見つかったら即食べる!」


ちょうど人が来る。
その先に見える小さなPEAKを越えた辺りに良い場所があればそこで食べることにしようと決めた。
ごく小さなスペースだったが、「ここなら・・・」と決め、小屋で作っていただいた弁当を食べた。
先ほどの方にすれ違いざまに聞いたところ、西穂高まではそう遠くない距離にある。
そこまで行けば2時間ほどで今日の予定地に到着だ。
天候の大きな崩れを暗示するような雲も無い。
大休止を取らずにここまで来たこともあり、ランチタイムは30分とした。
先ずは一服、次に水分補給、つぎに飯、そして食後の一服と珈琲。


食べる物も食べたし、珈琲も飲んだし、靴を脱ぎゆっくりと手足を伸ばすこともできた。
「ふっかぁ~~つ(復活)!!!」
とばかりに再スタートを切ったのはいいが、ハイドレーション内の水の残量を確認することを怠り、そしてそのことに気付かぬまま歩き出した。


くさり場が見えたが、右手にはホールドできそうなポイントがうじゃうじゃとあったので、ここはくさりは不要。


久々に見る青空。
気分は上々だったが、この岩場の登りにおいても頭部(ヘルメット)をぶつけてしまった。
気の抜けないルートはまだまだ続く。
そして何となくではあるが、自分は同じポイントをグルグルと回っているような錯覚に陥りそうになっていた。
岩の壁を登る。稜線を歩く。岩にしがみつきながらトラバース。そして下る。
大きな変化や特徴の無い似たような岩場を延々と繰り返しながらぐるっと一周しているだけのような感覚だった。


時折振り返りながら自分の通ってきたルートを確認した。
(写真の指先は下を向いており、「あそこを下ってきた」という意味)

時間的に言ってもそろそろ西穂なんだけどなぁ・・・。
と思っていると、やっと標識のあるPEAKにたどり着いた。
休憩を含め、ここまで6時間20分。

昼食を食べていた若者がいたので写真をお願いした。
互いに山の話に花が咲き始め、ここではなんと30分もの大休止をとってしまった。
もちろん水分補給も・・・と思い、ハイドレーションの飲み口をくわえ噛んだのだが、水は殆ど出てこなかった。
なんどやっても結果は同じ。
一瞬背筋が凍りついた。
「あーやってしまったか!」
という思いと、ここから目的地までは2時間だし、水分無しでも何とかもつだろうという思い。
正直のどはかなり渇いている。
目の前の二人に、少しだけ水を分けてもらおうかとも考えたが、あと2時間だし・・・。

ハイドレーションの水が既に無くなってしまっていること気付いた二人が「水ならありますよ」と言ってくれた。
ありがたい言葉だったが、ザックの中をガサゴソとやっていると、すっかり忘れていた予備の水筒が見つかった。
(「そっかぁー、そうだ、これがあったんだ」)
長時間縦走であることから、万が一の時のために用意していた1リットルの予備水がザックの中から出てきた。
数口だけ飲み、後は2時間のために残しておいた。

今となっては少しは笑える話だが、あの時は冷や汗をかいた。
そして「2時間程度なら大丈夫」という甘い考えがあったのも事実。
「途中に水場のない長時間の縦走だから」という理由だけだったが、本当に助かった。
水は足りなくなるくらいなら余る方が良い。

改めて教訓としなければなるまい。


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